国政選挙の投票日が近づいています。
すでに様々な媒体で若者の投票率が低すぎることが論じられていますが、30代の私モッティとしてもどうにも嘆かわしく、この問題を論じてみたいと思います。
何もわからなくても、適当でもいいからまずはとにかく投票に行こう。
投票して世代別の投票率を上げないと一生政治家どもに舐められるぞ。
低すぎる世代別投票率。だから俺たちは政治家に舐められる。
まずはじめに、これまでの国政選挙の世代別投票率をご覧ください。
まずは衆議院議員選挙↓

総務省:「国政選挙の年代別投票率の推移について」より
全体的に下降傾向ですが、注目すべきは20歳代、30歳代のライン。平成に入ってからはどちらも全体平均を下回って推移。特に20歳代の投票率は平成29年の衆議院議員選挙で33.85%。対して同選挙で60歳代は72.04%を記録しています。
20代と60代では倍以上の開きがあります。
続いて参議院選挙↓

総務省:「国政選挙の年代別投票率の推移について」より
こちらも傾向としてはほぼ同じ。20代、30代が全体平均を下回る低空飛行で、60代が最も高く、次いで50代。という流れ。平成28年の回を見れば、20代は35.60%で、60代は倍の70.07%を記録しています。
さてここで、最近見かけた挑発的選挙動画を見てみましょう。
「だから絶対投票いこうぜ!」という趣旨の動画ですが、要はこういう事です。
グラフが示したように、20代30代の若者はとにかく投票にいかない。ちょっとしたデモに参加したり、TwitterやFacebookで政治にまつわる投稿をすることはあるかもしれないけど、一番肝心な参政権を行使しない。
だから、高齢者ばかりが優遇される政策がまかり通る。
是正されない年金の世代間格差
厚生労働省「平成26年財政検証結果レポート」 によれば、2015年時点の年齢別保険料負担総額と平均寿命まで生きる場合のもらえる年金総額とその倍率は以下のようになるとのこと。
厚生年金の場合↓
2015年の年齢 | 保険料負担額 | 年金給付額(65歳〜) | 保険料に対する倍率 |
---|---|---|---|
70歳 | 1,000万円 | 4,400万円 | 4.4倍 |
60歳 | 1,300万円 | 4,300万円 | 3.2倍 |
50歳 | 1,800万円 | 5,000万円 | 2.7倍 |
40歳 | 2,300万円 | 5,100万円 | 2.1倍 |
30歳 | 2,600万円 | 5,400万円 | 2.0倍 |
20歳 | 3,000万円 | 6,000万円 | 2.0倍 |
60代では収めた額の3.2倍の給付を、70代では4.4倍もの給付を得られるのに対して、30代20代は2倍に留まっています。
国民年金の場合はこちら↓
2015年の年齢 | 保険料負担額 | 年金給付額 | 保険料に対する倍率 |
---|---|---|---|
70歳 | 400万円 | 1,400万円 | 3.9倍 |
60歳 | 500万円 | 1,300万円 | 2.4倍 |
50歳 | 700万 | 1,400万円 | 1.9倍 |
40歳 | 900万円 | 1,300万円 | 1.4倍 |
30歳 | 1,000万円 | 1,300万円 | 1.3倍 |
20歳 | 1,200万円 | 1,400万円 | 1.2倍 |
国民年金の場合も総じて同じ傾向で、要は高齢者ほど収めた保険料に対して受け取れる年金額が多いということ。
こうした世代間格差を是正するには、高齢者の年金を減らして若年者に付け替えれば済む話。が、そんな「まともな事」を主張する政治家なり政党があったとしてもまず議席を確保することなんて出来ないでしょう。
なぜなら、「若者を優遇する政策」を提言しても、そもそもその若者は選挙に行かないから。
若者を優遇する政策=高齢者を冷遇する政策を、投票率の厚い、選挙の上得意客である50代〜70代が支持するはずがない。
政治家も結局は人間。議席を確保出来なければ食い扶持を稼げない。ならば投票率の厚い層にウケる政策を提言した方が当選の確率は高まるというもの。
政治家にしてみれば「デモ?SNS??そんなのどうでもいい。投票に来てくれるおじいちゃんおばあちゃんさえ味方に出来ればいい」と言うことだ。
「年金なんてどうせもらえないんでしょ?」
「投票した所でねぇ・・」
「政治ってほんと嫌いで・・」
気持ちは分かるが、まずはなんでもいい、
適当でもいいから世代別投票率を上げないと、一生食い物にされるだけだぞ!!
と声を大にして言いたい。
とにかく、行こう。投票。