書評

藤原てい著、「流れる星は生きている」を読んで。

更新日:

ELL75_yousyohondana20120620500

今回はお金の話しとはあまり関係ない、けれどとっても大事な本のお話。読書感想文です。

ご興味がありました是非是非。

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流れる星は生きている

相互リンク先のとあるブログさんにこんな記事がありました。

レバレッジ投資実践日記:「この本は絶対の絶対に読んでほしい本なのだ

 

この記事内の簡単な内容紹介で興味を持ったのはもちろん。管理人のエルさんは投資関連やそれ以外のものも含めひと月に20冊以上の本を読むという強者。

そういう方に「絶対の絶対に読んでほしい本。」と言わしめた本。

これは読んでみないと。いや、絶対に読むべきなのだ。

と、早速(と言ってもだいぶ時間がかかってしまったが・・)まずはダメ元で近所の図書館へ。

 

うちの街の図書館は図書室と呼ぶのもはばかれるような超こじんまり図書館。

でもありました。書架でしたけどね。

読みました。

「流れる星は生きている。」

 

著者は、山岳小説で有名な新田次郎氏の妻、藤原てい

彼女が終戦後満州から日本に引き上げてくる過程を描いたノンフィクションです。

 

満州引き上げ。今まで言葉としてただ知っていただけでその実態に関しては何にもしらなかったんだなと痛感させられました。

こんなにも過酷で生死の境の崖っぷちを歩むような想像を絶するようなものだったとは。今の世の中がどれほど平和で安全で裕福で恵まれているか。僕らは恐ろしいほど豊かな時代に生きている。そんな風に思いました。

 

毎日が生きるか死ぬかの戦い。とにかく命をつなぐ事、生きる事で精一杯の時代。さすがに自分の両親世代はそこまでの経験はしていないとは思うけれど、でもそんな時代を少なくとも自分の祖父母や曾祖父母、更にもっと昔の先祖は生き抜いてきた。だからこそ今この時代に自分という人間が生きている。

そんな、いのちのリレーを考えずにはいられない作品でした。

 

著者の、母として何が何でもどんな手を使ってでも子どもたちを守りぬく、守りぬいてみせる、何としてでも生きる、必ず生きて帰るという「強い」なんてもんじゃない強靭な信念。精神力。

この本の端々からそんな強烈な生命力というか生命欲を感じました。

 

今の時代は生きる事で精一杯なんていう時代じゃなくて、贅沢にも「どう生きるか」という事が問われる時代。

更にその「どう生きるか」を悩むような時代。考えてみたら何とも幸せな時代だ。

そういう極めて恵まれた時代に生きているということをこの本は気づかせてくれるような気がします。

 

間違いなく多くの人に読んでほしい本ですね、これは。

是非、手にとってみて下さい。

さいごに:

僕の祖父が亡くなる少し前、「三食食べれて仕事があれば最高」という事を親戚のおじちゃんに言ったそうです。

僕はそれを伝え聞いてからとても大切な言葉として胸の奥にしまっています。

ただ、この言葉の意味をどう捉えていいものか、イマイチしっくりしない想いがありました。今この時代において「三食食べれる」「仕事がある」のは極めて普通のこと。一体じいちゃんはどういう想いでその言葉を発したのだろうかと。

でもこの「流れる星は生きている」を読み進めるうちに、同じく戦争を生き抜いたじいちゃんも似たように生きるだけで精一杯の体験をしてきたのかも知れないなと感じました。

そういう時代も生き抜いて、どんどん裕福に、豊かになっていく時代と共に老いていったじいちゃん。既に充分に幸福な上に更なる幸福を求める現世代の孫や子どもたちに何かを言いたかったのかもしれません。今の時点でもう充分に幸せなんだぞ、最高なんだぞと。だからあまり欲深くなるなよ、と。

この本を読みながらそんなことを想いました。

以上、ワタクシゴトですが。

流れる星は生きている (中公文庫BIBLIO20世紀)

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