先日、約1年ぶりに家族で会う機会がありました。
僕の家族はそもそも親父がカレンダー通りに休みがある職業じゃなかった事が影響してか、不思議なことに現在も誰一人として土日休みの職業に就いていません。みんな平日休み。盆暮れ正月、世間がお休みの時にせっせと働く仕事に就いています。
そんなこんなで9月の平日、久々に再開した家族の話題は次第にお金の話に。
母の資産運用、父の年金、そして妹の資産形成。
幸か不幸か(幸かな?)、妹は良い意味でお金への執着がありません。
特に物欲もなく、贅沢もせず、日々粛々と生活を送る。お陰で超貯蓄体質なんだと思いますが、お金への執着が無いがためにそもそも資産形成なんぞには興味がありません。
「いやいや、そう言わずに今のうちから積立投資でも始めたほうがいいよ」と兄は思うのですが・・
今回は妹の資産形成をどうアドバイスすべきか。兄の考えをつらつらと述べていきたいと思います。
妹よ、もっと勉強しなさい。。
ちなみに妹の勤める会社は東証一部上場のわりと大きな企業。
ちらっと給与明細を見てみると、さすがに大手とあって福利厚生等はそれなりに充実しています。社会保険も無い兄としては大変羨ましい限りです。
首都圏のベッドタウンに住んでいるみたいですが、会社が家賃の何割かを補助してくれて自己負担は3万円を下回る額だそうです。(羨まし・・)
当然年間2回、現状は計3.5ヶ月分のボーナスがあって、当然社会保険も完備。
社員持ち株会があって企業型確定拠出年金もある!
羨ましすぎる。。。
ボーナスも無し、所得税と雇用保険しか天引きの無い給与明細を毎月受け取る兄としては全く羨ましい限りです。
給与明細。もっと勉強しようよ。
ところが妹。マネー的知識=マネーリテラシーがほぼゼロなんです。
これ、恐らく大多数の方がそうだと思いますが、給与明細で確認するのは毎月の支給額と手取り額位といった有り様。
「所得税とか住民税とか厚生年金とかなんだかわかんないけど引かれるもんばっかだなぁ。まいっか!」位の認識です。
妹よ。別にかまわんけどさ、そろそろ自分の給与明細の中身くらい理解した方がいいんでないかい?もうすぐ30なんだし。
所得税がどう計算されてるとか、厚生年金てなんなんだとか、将来的にどれくらいの年金を受け取れるんだとか、健康保険てどういう仕組なんだとか。
所得控除されるものを増やせば所得税は下がるんだとか、そしたら住民税も下がるんだとか。
まずはそういう事を理解することから資産形成って始まると個人的には思ってるんですよね。
ま、偉そうに言ってるけど兄ちゃんがこの辺の知識持ったのは去年だけどなっ!あはは。
だからお前は今のうちから勉強しとけよっ
って事を兄は伝えたかったのです。
企業型確定拠出年金は使い倒そうよ。
妹「あのさーなんかよくわからないんだけど、毎月いくら得したとか損したとか書かれたやつが送られてくるんだけど何?」
兄「??それは何かの運用成績ってことか?」
妹「かなぁ。カクテーなんちゃらネンキン?だったかな」
兄「お!確定拠出年金か!」
妹「そう!それ!!」
兄「確定拠出年金あんのかぁ。いいなぁ」
妹「??なんなの?そのカクテーきょしゅつネンキンて」
というやり取りの末、妹の会社に企業型確定拠出年金の存在を知った僕、兄。
これも恐らく多くの方がそうであるように、会社に言われて加入してはみたものの、
そもそも何の為のモノなのかが全くわかっていない様子。
ネットに情報はあるんだからまず企業型確定拠出年金がなんなのか位は自分で調べなさい。
そして試しにその運用状況を見てみると・・・
- みずほDC定期預金(1年) 69%
- ニッセイ5年利率保証年金 19%
- 野村国内債券インデックスDC 10%
という3つの商品に上記の配分での運用がされてる様です。
「あぁ商品リストの上から3つポポポンて選んだなこりゃ。」という予想どおり、、
「わかんないからテキトーに選んだ」とのこと 笑
と、僕自身は企業型確定拠出年金を利用出来る立場に無いので興味がなくて、今までその仕組や制度についてはノータッチだったんですが、、、
企業型って会社が掛金出してくれるんですね!!!
知らんかった〜てか羨ましすぎでしょ(-_-;)
会社が出してくれたカネを自分で運用出来るだなんて!!!
個人型なんて100%自腹だぞ。。。
で、その会社が出す金額と同じ額を上限として自分が掛金出すのを「マッチング拠出」と言うのですね。なるほど。
(※制度改正で今後マッチング拠出の上限が上がる可能性有らしい)
ただ現在の所、妹に対する会社側の拠出額は毎月3000円のようです。
3000円て!少なくないか??
どうやら、就業年数や年齢、階級等で会社全体できっちりと額が決まっているようですが、これじゃあ年金作りとしては心もとない金額。
マッチング拠出を利用したとしても現状+3000円、計6000円。
もちろん今後少しずつ掛金が上昇していくとしてもやはり心もとない金額。
ちなみに6000円毎月積立投資30年間、5%リターンで計算すると運用総額は500万にも達しません。
ひとまず運用商品リストをチェック。
とはいえ、妹本人からも商品選定のリクエストがあったし、少額と言えども利用できるものは利用すべきなので早速運用商品リストを見せてもらいました。以下その内容。
※スマホの方見難くてすみません。画像クリックしてくださいね。。
非課税口座での長期運用を前提にするとやはり元本確保型商品を選ぶメリットはありませんね。
元本確保型以外の商品を見てみると数こそ少ないけれど、伝統4資産(国内・外国株式、国内・外国債券)にはパッシブ型ファンドの設定があることがわかります。
そして実際のリストにもこうして信託報酬と信託財産留保額が併記されていたのには担当者の気遣いを感じます。
さあ問題はここからです。一体どのファンドを積み立てていくべきでしょうか。
ちなみに妹は29歳。兄と違って浪費癖がないので既に兄の5倍程の預貯金額があります。生活防衛資金としては充分すぎるくらいの額です。
前述のとおりマネーリテラシーが低いので基本的にはメンテナンス不要のバランス型ファンド1本で長期のほったらかし積立インデックス投資を推奨したいところ。
願わくばそれを企業型確定拠出年金内で完結できれば、年金作りとしては充分。
がしかし、妹の企業型確定拠出年金では現状6000円の積立が限界。この6000円を上記のマイブレンド株式50型等のバランス型ファンド1本で積立ていくのはそもそも積立額が少なすぎて年金作りとしては不十分。
もし今後マッチング拠出額の上限が上がり、毎月積立額を増額できるのであればいいのですが、そうでないのならば自身で証券会社に口座開設をして月々3万円程をバランス型ファンドで積立。
確定拠出年金は補完的に考えるのがベストかもしれません。
上記の前提で考えるならば、確定拠出年金の非課税メリットを活かして掛金の50%を日本株式、残り50%を外国株式のインデックスファンドへ配分する。
というのが兄の考える答えとなりました。いかがでしょうか。
結局は本人次第。
と、兄なりに妹の資産形成プランを考えてはみたものの、、
結局のところ運用するのは妹本人なんですよね。
いくら家族だからといって「こうしたほうがいい!ああした方がいい!」とアドバイスしても本人がその気にならなければ何も始まらない事です。
証券会社の口座開設を代行する訳にはいきません。確定拠出年金の配分変更を代わりに申請することも出来ません。
結局は本人のやる気次第なんです。 ましてや妹のお金なんですしね。
妹には兄なりのプランを伝えてはみましたが、残念ながら当の本人にはいまいちそれが伝わりきっていない様子。
曰く「よくわからない」とのこと。
伝え方が悪いのかもしれませんが・・・
でもそうでしょう。やはりよくわからないものに対して積極的に動ける人間の方が少ない。
興味の無いことに積極的に動ける人間も少ない。
人生の二年先をいく兄としては少しでも将来に向けた資産形成を今からスタートして欲しいと思いますが、まずは本人の興味、理解をどう促進していくかが鍵となりそうです。
そこをうまく刺激出来て興味を持ってくれたら話は早いんですけどね。。
ただ、いくら家族とは言え他人は他人。兄弟、姉妹だからといって他人のお金のあれこれに過剰に介入しすぎるのもあまり良いことではないかもしれません。
やり過ぎ注意。相手にとっては余計なお節介に感じるかもしれませんし。
そこのバランスは難しいですね。
そして、他人の運用を考えるのはとっても難しい事を実感。
当然、自分とは違う価値観・人生観・リスクへの考えを持っている訳で、
全く自分と同じ運用手法や資産配分をそのまま当てはめるのはやはり乱暴です。
妹の場合で言うとあまりマネーリテラシーが高くないので出来る限りシンプルで手間のかからない、メンテナンスフリーのやり方を提案するのがベストだろうし、
性格や日頃の生活なんかを見るとあまり積極的にリターンを狙う配分よりも、堅実なコツコツリターンを狙う配分を提案した方が本人的にも納得がいくように思います。
と、ここまで考えてもやっぱり本人の興味・やる気スイッチがオンにならないことには始まらないわけですが・・・
当面はやる気の引き出しに注力することになりそうです。
みなさんも兄弟姉妹の資産形成、どう考えますか?