割と古いですが、非常に興味深い記事がありました。
人は視覚情報が8割 家計の支出管理は認識できる(見える)形で(田島 稔之)
まずこの記事の中に出てくるNHK(Eテレ)「オイコノミア」の実験がだいぶおもしろいです。
実験内容としては、、
- 1週間、現金しか使わない生活と電子マネーしか使わない生活をする
- 今日いくら使ったかを「体感」で書き留める
- 1週間たって、実際に使った額と体感額を比較する
だいたいこんな感じでした。
感覚だけではお金を大幅に使いすぎる危険が。
その結果は、
- 現金で生活した場合の実績と体感の差924円
- 電子マネーの場合5,194円
しかもこれ、いずれも実績額の方が体感額より多い結果になったようです。つまり両者とも体感を実際より低く見積もっていたことになります。
言い換えれば両者とも「思ったより使ってた」ということ。
そして単に数字のやり取りでしかない電子マネーの場合、その差額は現金の約5倍!
電子マネー払いは金銭感覚が狂う!?
上記の記事でも述べられてますが、
「人は支出を少なく見積もる」「更にデータ処理だけの支出だとより顕著になる」
という傾向が見てとれます。
まあ、番組内ではスタッフ一人だけを使ってこの実験をしているようなのでデータの信用性にはまだツッコム余地がありそうですが・・
いずれにしろ非常に興味深い結果であるし、共感できる内容でした。
特に電子マネー。これ、クレジットカードにも同じことが言えそうですよね。やはり実際にお金に触れて、その質量を感じて支払う場合と、電子マネーやクレジットの様に金銭に全く触れること無く一瞬で済ます場合とでは人間の感覚・記憶に及ぼす影響が全く違うようです。
そういう意味ではインターネット上でのショッピングも同じ。

とかいう特殊な場合を除いてはカード払いや銀行振込等、ほぼ間違いなくナマの現金に触れること無く完了するはずです。
そうなると、行動経済学的に言えば「メンタルアカウンティング」(心の会計)の作用がより大きく出るのではないでしょうか。
メンタルアカウンティング「心の会計」
要は、「人はお金に関して自分に都合よく処理する」ということで、つまり間違った認識、不合理な判断を下しやすいということです。
この場合で言えば、多くの人はお金を「あまり使っていない」と思いたい訳で、その思いによって間違った認識=実際の使用額より低く見積もってしまう。
という事態に陥る。
しかも現金に触れずに支払う場合は、その勝手な思い込みをより加速させてしまう効果がある。
チリが積もって最終的に自分の想像とは大きく乖離した金額を使ってしまっていた。という悲劇が典型的なカード破産の実態ではないかと思う。
支出の記録=見える化必須。
結局「人間の感覚なんてあてにはならない」という点から、紹介した記事内でも
支出を見える化=正確に認識する
ことが家計管理にとって重要で有効だと説いています。
これは全くその通りで自分自身も体験的に、見える化して認識することの重要性をひしひしと感じます。
「支出の記録」と聞くと、
レシートを必ず取っておいて〜、一日の終わりに何にいくら使ったか項目ごとに記録して〜、っていうイメージがあると思いますね。(多くの場合それを推奨される)
でも、それ無理でしょっ!
面倒くさい。。
いや、出来る人もいると思いますが、私は無理。絶対忘れるます。レシートも無くしそうだし。
「一日の終りに必ず」って思ったよりハードル高いんですよね。。
じゃあどうする?おすすめはアプリに「都度記録」
オススメは「支出の度に記録する」方法。
一見、その方が面倒くさいだろ!と思いますが、習慣になってしまえばこっちのもの。何てことない!
使うのはスマホアプリ。マネーフォワードやZaimなどなど、色々ありますが好きなものを使えばいい。
項目選択して→金額入力→保存。くらいの3ステップで完了するものがいい。大事なのはシンプル操作です。
可能な限り少ないステップでシンプルに記録できるものじゃないと続きません。
こういうアプリを使って、何かお金を使う度にササッと記録していけばいいんです。
時間にしたら一回10秒とかからない作業。それくらいの時間ならありますよね??
ちなみに1日の終りに今日使った額をアプリで確認すると「えっそんなに使った!?」と感じる事が多々あります。
間違ったかと思って確認すると確かにその金額なんですよね〜。。
つまり感覚と実績の乖離がここでもばっちり起きている。思ったより使ってた。と。
ホント感覚なんてあてにならないんだなぁと痛感させられます。
家計把握出来なければ投資する資格なし!
はっきり言って自分や家庭の支出管理・家計管理も出来てないのに投資や将来に向けた資産運用をしようだなんて本末転倒。やり直しです。
まずは支出の把握、可能ならば支出の削減・見直し。
これをやってからじゃないと効率も上がらないです。
特にひとり暮らしなら尚更。
例えば夫婦2人暮らしならばお互いの支出について言い合う機会もあるでしょう。行き過ぎた時にストップを掛けてくれることもあるでしょう。
でもひとり暮らしは基本的に自由です。全てが自分のお金。
それだけにいざという時に誰かが「待った!」を掛けてくれる。なんてことも無いんです。
だからこそちゃんと自分自身で制御しなきゃならないですからね。
やりましょう。
夫婦ふたり暮らしなら、例えばZaimにはひとつのアカウントをふたりで共有する機能もあります。これで家庭のすべての支出を記録する。という手もあります。
いずれにせよ、支出を見える化するところから全ては始まるのです。