クラウド系確定申告ソフトの肝である「データ連携機能」が事業・プライベート入り交じる環境下ではどうもうまく噛み合わない事や、そもそもデータ連携が多すぎてそれが混乱の元だった。というのが前回までの記事。
さてそれを踏まえて今後はどうやっていこうか。というのが今回の記事です。
MFクラウド確定申告はこう活用する!
確定申告相談に訪れた商工会で問題点や修正点を指摘してもらいつつ、「来年はこうならないようにどうすればいいか」という点も相談してみました。
まずは自分でも理解できた
- データ連携を少なくする
- ソフトに頼り過ぎず活用する
という点に関するアドバイスと、もう一つクレジットカードの記帳の仕方をレクチャーしてもらいました。
クレジットカード利用の記帳方法
前回書いたように、クレジットカードの利用日と実際に口座残高が減る引き落とし日が違うために記帳が複雑で面倒になります。結果的に銀行の普通預金が減る事に変わりは無いんですが、「クレジットカード」が一段絡むことで話がだいぶややこしくなってしまいます。
そこで。
「データ連携はせず、カード引き落とし日にカード明細から経費になるものをピックアップしてまとめて記帳したら?」
とのアドバイス。むむ?
つまり、2月10日にカード利用額が口座から引き落とされる
↓
カード明細の中から各種経費をまとめてピックアップ
↓
それ以外のプライベート支出はまとめて「事業主貸」でピックアップ
↓
まとめた経費は2月10日に現金で支払った事にしてまとめて記帳
↓
それ以外の事業主貸も2月10日付けで一括記帳
なるほど!!
クレジットカードは使ってるけど、現金支払として引き落とし日にまとめて記帳すると。
例えばこんなクレジット明細(計¥89,757円)があったとして。
↑赤マスで示した経費をピックアップする。便宜上ブログ運営費としましたが、実際は光熱費やら通信費やら旅費交通費やらに分けてまとめてピックアップします。その他の経費ではない100%プライベート支出(緑マス)は事業主貸としてまとめてピックアップ。
明細からまとめた各経費と事業主貸をカード引き落とし日の日付で「現金払い」として記帳すると。
銀行口座の方では2月10日の引き落とし日に「クレジットカード引落 −¥89,757」として残高が減りますが、MFクラウド上ではこの¥89,757円の内訳を
- 2月10日 ブログ運営費¥33,885円/普通預金
- 2月10日 事業主貸¥21,128円/普通預金
として記帳する。
月に1回、カード明細をエクセルダウンロードして経費をピックアップ、その他を事業主貸としてMFクラウドに入力すれば、銀行残高とMFクラウド上の帳簿残高はピタリと合います。クレジットカードをデータ連携してひとつずつ仕訳するよりも抜け漏れがなく、なんだかシンプルな気がするしこれならゴチャゴチャしなくて分かりやすそう!!
追記記事公開後、ツイッターでこんな指摘がありました↓
@moneymottoo ちょっと待った。引き落し日ベースで経費計上するとなると、「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書」の提出が必要になる上、青色申告控除が10万円になってしまいますよ
— 安房@米国株式&インデックスクラスタ (@an_bow) 2017年3月1日
ななんと、それじゃあ65万円控除にゃならないよ。とのこと。
で、色々調べました。
おっしゃる通り65万円控除には支払いが発生した日付で記帳する発生主義が原則。10万円控除なら支払日=引き落とし日ベースで記帳する現金主義でも可能らしいですが、65万円控除は発生主義。
上記の方法だと現金主義になっちまうようなので、アウトでした。
税務署にTELして確認してみたところ、「税務調査にでも入らない限り指摘されることはないが、もちろん発生主義で記帳すべき」との見解。申告時点では発生主義で記帳したか現金主義かはわからないから、別に今の方法でやっても誰に文句を言われるわけではない。ただ、やはり正しいのは発生主義記帳みたいなので、改めます。
一度「未払金」として処理し、引き落とし日に「未払金」を「普通預金」で支払ったと処理。一手間増えたけど正しいことをやってきます〜
データ連携はひとつ
そしてかつて手持ちのあらゆる口座をデータ連携していたMFクラウドでは連携先をひとつにしました。
↑こうなってたものを・・・
↓こう。
売上関係の入金先であるゆうちょ銀行のみをMFクラウドにデータ連携登録して、クレジットカード経由で支払われる各経費は前項の方法で手入力する。
これなら単純に仕訳の件数が減るし、連携したゆうちょ銀行のお金の出入りもそう激しくはないので抜け漏れも無くなりそう。
シンプル・イズ・ベスト!
これで記帳のスリム化が大幅に達成された気がします。今までは目の前に並ぶ情報の数が多すぎるし、しかもそれらが何の束にもならずただ横並びにダラダラと列挙されていただけでした。その中から必要なものを取捨選択し、仕訳けして整理する。という作業だけでも手一杯の状況でした。
そもそもの「情報の数」を制限することで全体が把握しやすくなり、必要なものは束にして整理することで隅々まで見渡せるようになった気がします。
取捨択一と整理整頓。
これなら来年の今頃は迷わず青色申告ができそうです。ソフトも要は使いようですね。
あースッキリ。