初めて個人事業主として青色申告を行ったのですが、、
最終的に地元商工会議所の相談員にかなりお世話になりました。
「今すぐできる」とか「初心者でも簡単に」「ラクに」というキャッチコピーあふれる確定申告用ソフトがあれば文字どおり簡単に、簿記知識がまるでなくても青色申告が出来る。と思い込んでいたふしがあってそれが今回の混沌の原因でもあります。間違いなく。
いや、別にソフトのせいにする気は無いけど「何が失敗だったか」「これがらどうするか」を整理しておきます。
MFクラウド確定申告の使い方失敗点。
使っているソフトは「MFクラウド確定申告」。「free」と並ぶクラウド系確定申告ソフトの代表格です。元々資産管理用にマネーフォワードを活用していたので、その流れでMFクラウドを選択しました。
MFクラウド確定申告の利点が足かせに
このMFクラウド確定申告の良いところ、利点・セールスポイントはマネーフォワードと同じく登録した銀行・クレジットカード・ショッピングサイト等の入出金明細・利用明細を都度取り込んでくれること。
その自動取り込みされた1件1件の明細をさらに自動仕訳登録することで労せず青色申告に必要な書類や帳簿が作成出来る。帳簿づくりのメインはこの仕訳にあるのでここを自動化すれば各種確定申告は格段にラクになる。という謳い文句です。
この家計簿バージョンがマネーフォワードな訳ですが、その利便性については既に確かな感触があったので特に考えもせず、年初に各口座のデータ連携設定を行いました。
- ゆうちょ
- 住信SBIネット銀行
- リクルートカード
- Amazon
- 楽天
- nanaco
などなど。現在使用中の各金融口座及びECサイト、電子マネーに至るまで「出来るだけ多くの」機関をMFクラウドの明細取り込み機関として登録しました。
明細は多岐に渡り、給与の入金、売上の入金、Amazonでの買い物、セブンイレブンでのnanaco利用履歴、クレジットカード利用履歴、クレジットに紐付けたQUICPay履歴、ATM出金、口座間振替、クレジットカード引き落とし、証券口座への出金・・・などなど。結果ありとあらゆる履歴が都度MFクラウドに取り込まれることになりました。
事業用・プライベート用に銀行口座もクレジットカードも分けておらず、それら大量に取り込まれた履歴をMFクラウド上で
「これは売上だ、リース料だ、光熱費だ、これは・・・・プライベート用だから事業主借・・・いや事業主貸だったかな???クレジットの引き落としは?口座間振替は?給与入金は????」
とあらゆる未仕訳データを仕訳ける必要が発生しました。
まず、この時点でかなり混乱。なんせ事業主借と事業主貸の違いさえまともに理解していない状態でこれら膨大な明細を逐一仕訳するのです。本来、帳簿と銀行口座の残高はきっちりリンクする必要があるのですが、連携した銀行口座も複数あり数字は少しずつ少しずつズレていったのでした。少しずつズレていった数字が1年分も積み重なればそれはそれは大きくかけ離れた値となり、いざ年度末に合わせようにもどう合わせるかも分からない。
こうしてどんどん深みにハマって逝ったのでした。
事業主貸と事業主借
そもそも「事業主貸」「事業主借」って一体何!という人の為にちょっと寄り道。
初めて青色申告をやってみて最初から最後まで悩まされたのがこの2つの勘定処理です。特に事業用とプライベート用を区別せずに帳簿付け・仕訳を行う際には絶対に避けては通れない部分なのでまずこれをしっかり理解してから仕訳に入ると悩みの70%位は消えます。
逆にここの理解をおぼろげにして始めると100%混乱します。それくらい零細個人事業主には大切な勘定科目なのです。
まず大前提として、青色申告に伴う帳簿付けに使う銀行口座は全部「事業用」と考えます。
僕の場合はゆうちょ銀行と住信SBIネット銀行をMFクラウドで登録した訳ですが、この2つの口座は事業を始める前から持っていた口座で、プライベート満載の口座です。特に口座名義を変えたとか、生活費と区別しているとか物理的な隔ては全く無いですが、MFクラウドに登録し青色申告に使うと決めれば「事業用」と考えます。
その「事業用口座」に事業と関係ないプライベートなお金の出入りがあった時に事業主貸と事業主借を使います。
僕は個人事業主として開業していますが、依然会社員のままなので毎月給与の振込があります。あるいは、親戚から結婚祝いをもらってそれをATMから口座入金したとします。本来事業用としている口座にこれらプライベートな「入り」があった時に使うのが、
事業主借。つまり「事業主」が「プライベート」からお金を借りた。というニュアンス。
逆にプライベートな生活費の為にATM出金した、確定拠出年金の積立金引き落としがあった、投資資金を証券口座に振り替えた。等の事業口座からプライベートへ「出」があった時に使うのが、
事業主貸。「事業主」が「プライベート」にお金を貸した。という事。
MFクラウドに登録した口座をすべて事業口座とし、それを基準に貸したか借りたかを記録すること。それが事業主貸&事業主借。まずこの前提をしっかり理解しておくと仕訳に迷いがなくなるし大部分が明晰になるはず。
データ連携が多すぎた
話は戻ってMFクラウド確定申告の活用失敗点です。
まず単純にデータ連携する機関が多すぎでした。AdSenseとその他ASPの売上が入金される口座はゆうちょ銀行だし、クレジットカードの引き落とし、給与振込もゆうちょ銀行。つまり住信SBIネット銀行のお金の動きはほぼプライベートに限定される訳で、それを連携登録したことでただ単に余計な作業を増やしただけでした。
nanacoも同じく。セブンイレブンかイトーヨーカドーが主な使い場所でほぼ全てがプライベート支出。nanacoで税金を払うことも有るけどそれも100%プライベート支出。ということはこちらも同じく余計な作業を増やしただけ。
そしてAmazon。明細の中には経費に出来るものもいくつか含まれているものの、支払いにはクレジットカードを登録しており、尚且つそのクレジットカードもMFクラウドでデータ連携している為、明細二重取り込みで混乱の原因に。これと同じ理由で楽天も余計なデータ連携でした。
ブログ運営に直接関わるサーバー代や通信費、光熱費、ドメイン利用料、モバイルテーマ利用料などは全てクレジットカード精算で、その他経費になるような支出のほとんどもクレジットカードを通して支払いをしています。ということは、最低限クレジットカードとゆうちょの口座だけを連携しておけば事足りるはず。
クレジットカード連携も余計だった
ところが、そのクレジットカード連携も実は余計だった。
クレジットカードをデータ連携すると、カードを使用した日付で逐一MFクラウド上にデータが入ってくる。それを都度「これは経費、これはプライベートだから事業主貸」と仕訳するのだが、カード利用日は引き落とし日とは違うから利用日時点では銀行口座の残高は変わっていない。
となると、カード利用日に仕訳をし、カード引き落とし日にまた仕訳をしなくてはならない。更にそもそもカード利用件数が多いので毎月毎月何十件もの仕訳登録をしなくてはならないし、数が多ければミスをして口座残高とのズレも出てくるかもしれない。
入ってくる明細全てが事業に関するものならば良いのかもしれないけれど、プライベートが混ざる状況ではやっぱりこの連携機能はうまく噛み合わない。
ソフトに頼りすぎた
結局言えることは、文明の利器に頼りすぎたと言うこと。そもそもブログ運営には仕入れも在庫もなく、売上と経費があって利益がでる単純な構造で、尚且つその経費だって限られる。やろうと思えばノートとペンだけで日々の記帳業務をこなせるくらいシンプルなはず。
それをソフトの機能を多用した結果、余計複雑にしてしまった印象がある。クラウド系確定申告ソフトはデータ連携が肝なのだが、逆にデータ連携をしないオフラインで使えるソフトの方が相性は良かったのかもしれない。
という事を商工会での相談でようやく理解出来た。
さて、それを踏まえて今後の記帳・仕訳はどうやっていこうか↓に続きます。