保険 税関係

明治安田生命「じぶんの積立」は生命保険?定期預金?節税目的で加入。

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相互リンク先ブログ、金村さんの「Time is money  キムのお金日記」で紹介されていた明治安田生命の「じぶんの積立」という生命保険への申込みが完了しました。

僕も保険商品には懐疑的でノーチェックでした。しかし節約やコストパフォーマンス、お金の使い方に関してはかなりシビアでストイック、それによって30歳そこらですでに3,700万円もの資産を貯めた金村さんが保険に加入したと聞いて慌てて調べました。

かの山崎元先生もコラムにていち商品としての有用性を指摘しておられますが、利用者側にとって得なものはとことん使って少しでも節約・節税につなげたいものですね。

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「じぶんの積立」で節税する!

「じぶんの積立」とは?

明治安田生命のかんたん保険シリーズ「ライト」というラインナップの主力商品(?)がこの「じぶんの積立」という生命保険です。

  1. いつ解約しても元本割れしない
  2. 1口5,000円から積立、払込期間は5年
  3. 健康状態に関わらず申し込み可

②③はともかくとして、①いつ解約しても元本割れしない=元本保証ということなので「損はしない」という商品としての最低条件をクリアしている点は安心です。

保険料は1口5,000円〜4口20,000円の範囲で設定でき、保険料払込期間は5年。満期は10年なので、10年後に「満期保険金」が受け取れる設計です。

満期の返戻率は103%

契約時に頂いた資料にある「返戻金等の推移」がこちら↓

経過年数年間払込保険料払込保険料累計返戻金返戻率
1年120,000円120,000円120,000円100.0%
2年120,000円240,000円240,000円100.0%
3年120,000円360,000円360,000円100.0%
4年120,000円480,000円480,000円100.0%
5年120,000円600,000円600,000円100.0%
6年0円600,000円605,080円100.8%
7年0円600,000円608,280円101.3%
8年0円600,000円611,500円101.9%
9年0円600,000円614,730円102.4%
10年0円600,000円618,000円103.0%

毎月の払込保険料2口10,000円でのシュミレーションです。5年目までの返戻率は100%。いつ解約しても払込済みの保険料はそのまま戻ってきます。6年目以降、返戻率が少しずつ上がり10年でようやく103%に到達。保険料の累計が60万円、返戻金は元本+18,000円で61万8千円になります。

10年運用して3%の利息ですから、年率換算すると0.3%の利率ということになります。10年満期の定期預金ほどの利率ですね。

生命保険としての機能はない。

返戻金の利率的には定期預金のような設計となっていますが、この保険は後述する「生命保険料控除」が利用出来るので括り的には「生命保険」に位置する商品(のはず)です。

よって、「死亡給付金」と「災害死亡給付金」の2つの死亡補償がセットされています。

  • 死亡給付金   積立金と同額
  • 災害死亡給付金 払込済み保険料の1.1倍の額

となっており、僕が契約した毎月2口10,000円の保険料でシュミレートするとこのようになります↓

経過年数年間払込保険料払込保険料累計返戻金死亡給付金災害死亡給付金
1年120,000円120,000円120,000円120,000円132,000円
2年120,000円240,000円240,000円240,000円264,000円
3年120,000円360,000円360,000円360,000円396,000円
4年120,000円480,000円480,000円480,000円528,000円
5年120,000円600,000円600,000円600,000円660,000円
6年0円600,000円605,080円605,080円660,000円
7年0円600,000円608,280円608,280円660,000円
8年0円600,000円611,500円611,500円660,000円
9年0円600,000円614,730円614,730円660,000円
10年0円600,000円618,000円618,000円660,000円

死亡給付金=積立金ですから、返戻金と全く同じ金額になります。5年目までは元本に対し100%。6年目以降利息が付与されていき、満期時で103%の給付額になります。生きてても死んでも同じ額の返戻金が受け取れる。という事ですね。

災害死亡給付金は保険料の1.1倍=110%なので、通常返戻率よりも若干利率が良くなり5年目〜10年目で元本60万円に対し66万円を受け取れる設計になります。

しかし「生命保険=残された家族が路頭に迷わないために」と定義すると、この商品にその機能は全くありません。災害死亡時でも元本に対して110%という利率では残された家族の生活を補償するには到底足りません。例えば満額の4口20,000円を積立てたとしても元本120万円、災害死亡給付金は132万円です。一般的にイメージする生命保険の給付とは雲泥の差ですね。よってこの商品は「生命保険」の機能は有しておらず、「定期預金に死亡給付のおまけが付いた」程度の認識で利用するべき商品です。

生命保険料控除とは?

がしかし。

定期預金に毛が生えた程度の返戻率と死亡給付にも関わらず、「生命保険料控除」がしっかりと適用されるのがこの商品最大の矛盾であり、また最大のメリットでもあります。

生命保険料控除とは数ある「税金の割引券」のひとつです。

年末調整の還付金はいつどんな時にいくら戻ってくる?計算方法は?

この割引券が多ければ多いほど年末調整を経て返ってくる還付金が増え、翌年の住民税額が下がります。

僕自身は主に個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金全額が「小規模企業共済等掛金控除」適用となり大幅に税金が割引きされていますが、ここに更に生命保険料控除も加えて更なる節税をしたい。というのが、「じぶんの積立」に加入した最大の理由でもあります。

生命保険料控除額

実際に生命保険料控除によって税金の割引券化する金額は所得税と住民税で違います。それぞれの控除額を確認します。

所得税
年間保険料控除額
20,000円以下保険料の全額
20,000円〜40,000円保険料×0.5+10,000円
40,000円〜80,000円保険料×0.25+20,000円
80,000円超40,000円

ご覧のように控除額MAXの40,000円を得るには年間80,000円以上の保険料払込みが必要になります。じぶんの積立では積立額は1口5,000円単位になるので、2口の10,000円に設定しました。

住民税
年間保険料控除額
12,000円以下保険料の全額
12,000円〜32,000円保険料×0.5+6,000円
32,000円〜56,000円保険料×0.25+14,000円
56,000円超28,000円

住民税は所得税より少し下がって、年間保険料56,000円以上でMAX28,000円までの控除です。

合計控除額

よって所得税40,000円+住民税28,000円=68,000円の税金割引券を「じぶんの積立」毎月2口10,000円の積立利用で得ることが出来ました。

実際どれくらいの得か

「じぶんの積立」を利用することで実際にどれくらいの節税になるのかを試算します。

現在の僕の年収だと所得税率は5%、住民税率は10%が所得に関わる税率なので、

  • 所得税控除40,000円×5%=2,000円
  • 住民税控除28,000円×10%=2,800円

で合計節税額4,800円

となりました。

納める年間保険料12万円に対して4%。額は小さいですが運用のリターンとしては上々の部類です。

所得税率が10%ならば所得税控除4,000円となり計6,800円、所得税率15%ならば計8,800円、20%ならば計10,800円となり、高収入であればさらに節税効果は高まります。

この節税額は保険料を払い込む5年間、毎年得られることになるので、4,800円×5年でトータル24,000円の節税になります。

2口10,000円積立時の満期返戻金+3%分18,000円と合わせると42,000円になり、保険料総額60万円に対する節税分も含めた返戻率は107%、年率0.7%となります。

前述の通り生命保険としての機能はほとんどアテに出来ない、実質的には「死亡給付おまけつき定期預金」であると考えると中々いい利率になります。

明治安田生命が倒産するという非常事態さえ起こらなければほぼノーリスクで10年間、年率換算で0.7%の運用が出来、預金商品としては上出来です。

「じぶんの積立」申し込み!

さて、実際の申し込み体験談です。

この商品はこのご時世では珍しくネット申込みや電話申込みだけでは加入でません。電話かネット、いずれかの方法で面談申込をして実際に保険外交員さんと対面で話してその場で手続きをする対面販売オンリーです。

冒頭の山崎元先生のコラムでも指摘されている通り、販売する側としては全く旨味のない商品(=利用価値がある商品)なので、対面販売に限定することで、その他販売側に旨味のある商品(=利用価値が低い商品)へ誘導する「とっかかり役」として作られた商品がこの「じぶんの積立」ではないかと言われています。

僕自身も現段階では医療保険やその他生命保険に加入する意思は全くありませんので、その辺りを肝に命じて相談予約を行いました。

ネットから相談申込をしてほどなく、近隣の営業所から早速アポイントの電話がかかってきました。そしてその翌日に自宅近くまで来てもらって手続き開始です。

手続き自体はタブレット端末を使って全ての申込がその場で完了する迅速さですが、パンフレットや約款その他資料も一気にその場で渡されるので中々の荷物になりました。

手土産の讃岐うどんと、高島屋のカステラもセットに。

小一時間あれやこれやと説明を受け(大抵はただ返事をしているだけだが・・)タブレットを操作して必要事項を記入し、ご覧の様々の書類と手土産を受け取ってようやく帰宅。

正直かなり疲れました。こういう金融商品の類は全てネット申込でしか加入したことが無かったので、一時間も対面で説明を受けやり取りをしながら契約をするのはさすがに煩雑で疲労困憊。

やはり「ここをとっかかりに!」と「ちなみに医療保険には現在加入されてますか?」とセールスも始まりそうでしたが、「いえ、今日は結構ですので・・」とキッパリお断りさせて頂きました。

その後、数時間たってから再び自宅に申込完了の書類とやはりセールスの書類を手渡しに来てくれました。もちろん外交員さんはとてもフレンドリーで気持ちのよい人でしたが、これだけの人件費と手間と、お土産等々の付加費をかけて大手保険会社の商品は契約されているんだなぁとしみじみ。そりゃ高コストにもなる訳だ。

改めて大手の保険商品に警戒を強めましたが、たまにこういう掘り出し商品も出るので要チェックですね。

以上「じぶんの積立」加入でした。

 

後から気付きましたが、単純に所得控除目的ならば掛金は低く抑えたほうが効率が良いことを発見しました↓

生命保険料控除の活用は年間保険料8万円以下に抑えたほうが効率がいい!?

そしていざ減額手続き。対面販売を徹底する商品だけにいちいち営業さんと対面しなくてはならず煩わしいです↓

明治安田生命「じぶんの積立」掛金を月5,000円に。減額手続きが最高に面倒くさい!

他に個人年金保険料控除を狙ってJA共済ライフロードという商品にも加入しました↓

個人年金保険料控除の活用にはJA共済「ライフロード」がベスト。

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