実は2ヶ月ほど前に米国個別株であるNVIDIAの株を日本円にして約100万円ほど買いました。購入単価は181ドル。
過去2年のチャートで見ると矢印の辺りが購入したポイントになります↓
結果的に見ればかなり上昇した所での購入だった訳ですが・・・過去には遡れないし未来はわからないし。思い立ったが吉日ってな訳でサクッと買付けました。
このNVIDIA、パソコンを買えば必ず入っているGPUを造っている企業です。CPUじゃなくGPU。
主に画像処理を担うプロセッサー「GPU」に特化した企業です。しばらくは地味にGPUを提供するいちサプライヤー的企業だった訳ですが、ある時GPUが持つ画像処理・演算処理能力がAIの開発、ディープラーニングの処理に適しているという事が分かってから、その分野での躍進が始まります。
ちなみに上記チャートは2016年初からのものですが、2015年後半頃から我々一般庶民の間でも経済誌やWEB上で「NVIDIAがスゴイ、NVIDAがAIや自動運転の鍵を握ってる」などと騒がれるようになります。僕自身もその辺の普通の経済誌、例えば東洋経済かなんかで自動運転特集やAI特集が組まれればかならずNVIDIAの名前が上がっていた事を憶えています。
今となっては後の祭りですが、当時「へぇ〜、あのGPUメーカーのNVIDIAが自動運転のキーなのかぁ」なんて思っていた憶えがあります。その時に投資していれば・・今頃4倍。
私モッティ、現在は海外ETFや国内投信を用いたインデックス投資やアクティブファンドでの積立投資をベースに、サテライト的に個別株投資も楽しんでいますが、その銘柄の大半は自動運転関連です。なぜなら自分が今一番興味のある技術だから。だって車が自走するなんて物凄いじゃないですか!世界が変わるよ!
モービルアイ(Intel買収により売却)、テスラ・モーターズ、そしてNVIDIAに投資中です。
さてそのNVIDIA、そしてGPU、AI、ディープラーニング、自動運転システムの開発。なんとなーく言葉を知っている位で分かっているような分かっていないような・・・いや、分かっていないな。
てな訳で勉強をしにNVIDIAが主催するGPUテクノロジーカンファレンス、その名も「GTCジャパン」に参加したのでした。
ずぶの素人がGTCジャパンで勉強する
GTCジャパン概要
NVIDIAが毎年開催するGTCジャパンは2日間の「GPU学会」といった趣。研究者、開発者、学生が一同に介し、様々なセッション・講義に参加して見識を深める場。
ちなみに費用はセッション参加のみならば2日間で税抜き10,000円(学生は無料)安くはない。他にパソコン持ってハンズオントレーニングに参加するトレーニング参加は+20,000円。安くはない。
ハンズオントレーニングは豚に真珠、全く場違いだと思われたので、セッション参加のみの10,000円チケットを予約していざ参戦。

現にモッティ飲食業の人間だし・・
いざセッション参加!
セッションはこのように↓かなりの数があり、この中から好きなものを選んで受講する。という流れ。
講演者も研究機関や、国内外のスタートアップ企業CEO、Googleやfacebookの担当部署の人間、ホンダやSONYの幹部、NVIDIA内の開発担当者等々、充実した内容。参加者側を見渡してみても、20代〜40代前半の若い人たちが多く、まさに「これから」の技術・研究といった趣だ。
初日、、まずは米国Googleからやってきた技術者による「TensorFlow: Open Source Machine Learning」というセッションへ。
TensorFlow(テンソルフロー)とは、Googleが開発しオープンソースで公開している、機械学習に用いるためのソフトウェアライブラリである。(wikipediaより)
ほ・・ほう。ディープラーニングに用いるための・・・ソフトウェアライブラリ・・ね・・。
同時通訳レシーバーを装着していざ聴講。
・・・全然わからない(笑)
当然ながら、GPUとは?ディープラーニングとは?ライブラリとは?なんざ解説してくれるはずもなく、いきなり専門用語全開の技術的な話がてんこ盛り!
気を取り直して次!
NVIDIAの日本人技術者(肩書はシニアデベロッパーテクノロジーエンジニア・・)による「CUDA 9」のセッション。
CUDA(Compute Unified Device Architecture:クーダ)とは、NVIDIAが開発・提供している、GPU向けの汎用並列コンピューティングプラットフォーム(並列コンピューティングアーキテクチャ)およびプログラミングモデルである。(wikipediaより)
・・・ほう。並列コンピューティングプラットフォーム・・ね。
日本語による講演ならばもう少しスムーズに頭に入ってくるはず、と思いきや・・
まっっったくわからない!(笑)
例えるならば・・・「そもそも何語かも判別できない異国の言語の文法解釈を、その何語かもわからない言葉で説明される」ような感じ。と言えば伝わるでしょうか。日本語で話してくれているにも関わらず、一語たりとも理解できない。という体験を生まれて初めてしました(笑)
しかしまあ、自分にとっては極めて難解なこれらの講義をいくつか聞いていく内に、GPUが処理するためのプラットフォームがあってライブラリがあってAIとして機能させるためにトレーニング、ディープラーニングがあって・・・と言う大まかな構造というのはなんとなく理解できた。ような気がします。
こういう技術的な細かい話しもあれば、NVIDIAが支援する国内スタートアップ企業19社による事業内容プレゼンテーションでは、「AIを使って出来ること・これからしたい事」の例がふんだんに示されて、これからAIがどう活用されるかをイメージすることが出来た。
目玉は基調講演!
そしてGTCの目玉は何と言っても2日目の基調講演!
なんと本国からCEOのジェンソン・フアン氏が自ら講演をするのだ!
まあ、モッティ的にはこのために10,000円のチケットを買ったと言っても過言ではない。自分が投資する米国企業の創業者でありCEOの基調講演を生で聞けるなんて、こんな貴重なことは無い。しかも今、世界が注目する人物、ジェンソン・フアン氏その人である。
10時開演のところ9時前に会場到着でスタンバイ。すでに列が出来ていたけどかなり前の方であったのは確か。会場の席が全て埋まったあとは別室でサテライト中継された模様で、メイン会場の前方で聴講出来たのはラッキーだった!早起きが報われた瞬間。
いち株主としてエヌビディアのgtc ジャパン 参上しました!ジェンスンCEOの基調講演。スーパーエキサイティングだったなー #GTCJapan pic.twitter.com/6nkXOmEZkD
— モッティー (@moneymottoo) December 13, 2017
スティーブ・ジョブズが確立したと思われる劇場型基調講演はNVIDIAにも健在で、ひとつのショーとしてとっってもエキサイティング!!
会場の幅いっぱいに設置された高精細な巨大ディスプレイをふんだんに活用しながら流れるようなプレゼンテーション。笑いも誘いながら聴衆をぐんぐん引き込んでいく。
全編英語、同時通訳はなく簡単な字幕が付く程度ではあったものの、技術的な細かい話しではなくGPU、AIの未来やNVIDIAの取り組みの大枠をわかりやすく話していた事もあって、「GPUがどう役立つのか、何が出来るのか、NVIDIAがどう優位なのか」をスムーズに理解できた。
曰く、「自動運転車の開発は最も難しくチャレンジングだが、これができれば産業ロボット、建設車両等様々な自走機械に応用できる。一大イノベーションが起きる。自動運転車の市場規模は莫大。モバイルの世界で起こったことと同じように様々なアプリケーションが車に乗っかるようになる。そこにNVIDIAの技術も大きく関与する。」
もう、最高にワクワクするよね!!
素人でも価値あり。
その後は自動運転に関するセッションに絞って集中的に聴講。こちらも内外のスタートアップCEOやホンダの開発担当者など、まさに自動運転車の開発に取り組んでいる面々による開発状況のプレゼンテーションや技術的なお話。
しかしクルマの話しとは言え、講演者として参加した国産自動車メーカーはホンダのみ。NVIDIAはトヨタとの提携が発表されているが、トヨタの自動運転車に関する話もなく、スタートアップ企業の講演が多かった気がする。
大メーカーよりもスタートアップの方が進んでいるということか?
携帯電話の世界を畑違いのAppleが変えたように、クルマの世界の変革はクルマメーカー以外によってもたらされるのかもしれない。そんな気がしたGTCジャパンでした。
にしても楽しい2日間だった。知識的には門外漢もいいところ、ずぶずぶの素人が学会に潜入したようなもの。大半の人間が仕事や研究の関係で参加しているのに対して、恐らくたった一人「趣味で」参加しているようなものだったけど、ものすごく刺激的でエキサイティングな体験でした。
是非とも来年も参加したい。その頃にはもう少し話が理解できるようになって・・・