コアサテライト戦略がしたいんです。第3部。
先日の日本株アクティブファンド検討に続いて今回は外国株式のアクティブファンド選びです。
外国株式アクティブファンド検討
前回記事にあるように保有する全8資産の内、日本株式と先進国株式クラスにサテライト投資としてアクティブファンドを選択しようと考えファンドの比較等を行っています。
今回もモーニングスターのファンド検索機能を使い、候補となるアクティブファンドをピックアップしたいと思います。
検索条件は
- 国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジなし)
- 償還までの期間 30年以上
- 純資産総額 3000百万円以上
とし、検索。出てきたリストを「リターン(長期)」で並べ替えます。
その結果は・・・
やはり来ましたね。「朝日Nvest グローバルバリュー株オープン 『愛称:Avest-E』」
相互リンク頂いている「ノーロード投資信託の比較サイト」さんに「存在価値のあるアクティブファンド」というキラーコンテンツがあります。
その存在価値のあるアクティブファンドとしてこの「朝日Nvest グローバルバリュー株オープン 『愛称:Avest-E』」がラインナップされていたことから実はだいぶ気になっていました。
「先進国株式アクティブファンドで最有力」と紹介されていましたが、このモーニングスターの検索結果はまさにそれを証明する結果となっています。
検索結果は5年リターンの良い順に並んでいます。
その2位、3位は毎月分配型の為、長期資産形成を目的とした運用には明らかに不適合です。(複利効果の恩恵を受けられないため)続いて4位、5位のファンドを見てみると・・・
あらあら、インデックスファンドではありませんか。
ちなみに10年リターンの良い順に並べ替えた結果でも・・・
朝日Nvest グローバルバリュー株オープン以下は全てインデックスファンドです。
※SMTグローバル株式インデックスファンドは運用期間が10年未満の為リストから外れています。
このことから言えることはひとつ。
「投資価値ある先進国株式アクティブファンドはひとつしかない!」
ということです。
「朝日Nvest グローバルバリュー株オープン」以外にもアクティブファンドは多々有りますが、残念ながらその全てがインデックスファンドのパフォーマンスに負けています。こうなると他のアクティブファンドを選択する意味は全く無いですね。インデックスファンドを上回るパフォーマンスを獲得するのがアクティブファンド選択の目的ですから。
ただ、多くの先進国株インデックスファンドがMSCI-KOKUSAIという指標をベンチマークとしている中 、朝日Nvest グローバルバリュー株オープンはMSCI-ACWIという指標をベンチマークとしている様に、その他のアクティブファンドもインデックスファンドとは異なる指標をベンチマークに設定している可能性はあります。
そういう意味では単純に「他のアクティブファンドはインデックスファンド以下だから投資価値無し!」と決めつけるのはいささか乱暴かもしれません。
でも、、まあ、僕は買わないですね、絶対。
パフォーマンス比較
というわけで事実上一択となった先進国株式アクティブファンド。
ではこの「朝日Nvest グローバルバリュー株オープン」は過去にどれくらいのリターン実績を残してきたのか、インデックスファンドと比較したいと思います。
比較対象とするインデックスファンドは
- emaxis全世界株式インデックスファンド
- 野村外国株式インデックスファンド
の2つです。
emaxis全世界株式インデックスファンドは朝日Nvest グローバルバリュー株オープンと同じMSCI-ACWI(オールカントリー・ワールドインデックス)をベンチマークとするファンド。
野村外国株式インデックスファンドはMSCI-KOKUSAIをベンチマークとするファンドなので単純比較対象としては疑問が残りますが運用期間が長く(MSCI-ACWIで運用期間が長いファンドが見つからなかった)長期間の比較対象に出来そうなのでピックアップしました。
※ちなみにSMTグローバル株式インデックスと野村外国株式インデックスのリターンパフォーマンスはほぼぴたりと一致します。
余談ですが・・・
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)は、日本を除く先進国株式指数であるMSCI コクサイ インデックスと新興国株式指数であるMSCIエマージング・マーケット・インデックスとの合成指数です。
先進国株式と新興国株式の比率は現在約88:12です。
つまり新興国株式も若干含んでいる点には注意が必要ですね。
それでは3年リターンから
青が朝日Nvest グローバルバリュー株オープン、
オレンジが野村外国株式インデックス、
緑がemaxis全世界株式インデックスです。
あれ?何だかインデックスファンドの比較みたいですね・・・ほぼ似たようなパフォーマンス。。
野村外国株式インデックスファンドだけベンチマークが違いますが、そもそもMSCI−ACWIはMSCI-KOKUSAIを88%程含んでいるのでリターン成績はかなりリンクしてきますね。
続いて6年。
emaxis全世界株式はまだ4年間程の運用期間しかありませんので脱落です。
あれあれ??あんまり大差ないですね、、6年間のリターン累計では
- 朝日Nvest グローバルバリュー株オープン 78.42%
- 野村外国株式インデックスファンド 69.78%
でした。10%いかない位の差です。
続いて8年
あれあれあれ?? やっぱりほとんど変わらない。
実は朝日Nvest グローバルバリュー株オープンは信託報酬が1.80%(実質コストは約2%)とかなり高コスト。やはりこれが足かせとなっているんでしょうか。
日本株式アクティブファンドの場合と違って大きく差を広げる結果にはなりませんでした。
8年間の累計では
- 朝日Nvest グローバルバリュー株オープン 61.49%
- 野村外国株式インデックスファンド 51.80%
と10%弱の差に留まりました。 これを「10%も!」と考えるか「たった10%だけ?」と考えるか。僕は「10%だけ?」の方です。
リーマンショック以降はかろうじてインデックスファンドを上回るパフォーマンスを見せていますが、それまでの2年程は概ねインデックスファンドを下回るパフォーマンスを記録しています。
上昇相場ではまずまずとしても下降相場ではやはりその高コストが影響してか残念なパフォーマンスだったことがわかります。
この、「8年たってたった10%程のリターン差」にアクティブファンドとしての魅力は感じませんでした。
まとめ
朝日Nvest グローバルバリュー株オープンに関しては多方面で賞賛の声を聞くことが多く、先進国株式クラスのアクティブファンドとして期待していましたが。。。
こうして実際にインデックスファンドと比較してみると僕にはそこまで魅力的なファンドに思えませんでした。
日本株アクティブファンドくらい歴然としたリターン差が出てくると「投資する価値はあるかな」と思えるんですが、今回はその可能性を感じず。
結論、
「先進国株式はインデックスファンドで」
どうやらコアサテライト戦略のサテライト枠は日本株アクティブファンドのみを割り当てる事になりそうです。
さいごに・・・
と、実は先日の記事「コアサテライト戦略がしたいんです」を投稿後相互リンク頂いている「インデックス投資日記@川崎」の管理人kenz氏よりこのようなツイートを頂きました。
期待リターンが上がるよう債券比率を下げるとかではダメ? RT @moneymottoo: ブログ更新:「コアサテライト戦略がしたい。」|もっとお金の話がしたい http://t.co/xKLTZfVAQs
— kenz (インデックス投資日記@川崎) (@kenz08) 2014, 9月 26
ふむふむ、債券比率を?下げて株式比率を上げて?でアセットアロケーション全体の期待リターンを上げる・・・?
・・・・・・・ってまじか!!!そうじゃん!その手があるじゃん!!
わざわざアクティブファンドに手出して期待リターンを上げるんじゃなくて、インデックスファンド100%のアセットアロケーションのまま債券比率下げれば期待リターン上がるじゃん!!!
と、なぜそこを考えなかった自分!と猛烈に頭を壁に打ち付けたい衝動に駆られてしまいました。。。
そうなんです。
期待リターンを上げる為にはコアサテライト戦略以外にも方法があるじゃないですか。
という訳でコアサテライト戦略を実行する場合のスタンスは決定してるんですが、
現在、それを実行に移すか、kenzさん指摘の様に債券比率を下げてリターンを上げるかどうかを検討中。悶々中です。。
どっちの戦略にするか、はたまた両者ミックス戦略にするか。もうちっと考えて追々記事にしたいと思います。
それでは今回はこの辺で。