「投資の成果を決めるのはアセットアロケーション」ということはわかっていても、
自分自身で納得できる配分を設定するのは中々難しいもの。
僕自身、投資初期に自分のアセットアロケーションをどう決めるか多いに悩みました。
様々な投資本を読んでみたけれど、例えば円資産の組入ひとつとっても
「年金、預金、保険等で既に間接的に円投資してるから円資産の組入は低くてOK」と解説しているものもあれば、
「いや、日本に住み続ける以上やはり円を基準に組入るべき」と全く逆の解説をしているものもあって、
言ってる事がてんでバラバラ。
最終的には自分が納得出来る落とし所、腑に落ちる所を自分自身で見つけなくてはならないと感じました。
もちろん、様々な意見や他人のアセットアロケーションを参考にするのもひとつの手。
「他人のアセットアロケーションを参考にする」という点から、僕は色んなバランスファンドのアセットアロケーションなんかをよく眺めていました。
基本的にバランスファンドは「これ一本だけ買っておけばOKだよ」というスタンスで運用、販売されているはず。
ならばそのアセットアロケーションもひとつの考え方として参考になるはず。
というわけで今回はアセットアロケーションに迷う方々のお役に立つ(?)べく、各バランスファンドのアセットアロケーションをまとめたいと思います。
「ふむふむ。そういう配分も有りか」なんて観察して頂ければと思います。
はじめに
各ファンドの
- アセットアロケーション
- リスク・リターン
- コスト
- 自分で再現した場合のコスト
を僕のマイアセットアロケーションツールを用いてまとめます。
リスク・リターンについては以下の数値を用いています。
一般的に「リスクデータは過去の統計を用いてもまあまあ良いが、過去の平均リターンは使うべきでない」とされています。
これに習い、リスクデータは過去の統計から、期待リターンは様々なブログやGPIFのデータ等を参考に上記の様に設定しています。
この期待リターンをどう設定するかはとっても難しいです。。これも色んな意見があって正解が無い。。
※当コンテンツのリスク・リターンは上記データを元に算出しています。あくまで各資産クラスのリスク・リターンを上記のように見積もった場合の結果ですので目安としてお考えを。
ちなみに現在絶賛(?)配布中のマイアセットアロケーションツールではこのリスク・リターンデータは自由に設定出来るようになってますので
興味のある方はいじってみて下さいね。
「自分で再現した場合のコスト」は、低コストインデックスファンド「SMTインデックスシリーズ」を用いて各バランスファンドと同じアセットアロケーションを再現した場合のコストです。
SMTインデックスシリーズの実質コストはいつも参考にしている下記ブログさんの記事を参考。
→インデックス投資日記@川崎「低コストインデックスファンドの実質コスト完全比較 (2014年6月)」
- 日本株式(TOPIX) 0.37%
- 先進国株式 0.55%
- 新興国株式 0.88%
- 日本債券 0.37%
- 先進国債券 0.53%
- 新興国債券 0.72%
- 日本REIT 0.40%
- 先進国REIT 0.66%
となります。
僕が当時思った感想も一緒に付け加えながら、、
それではスタート。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
言わずと知れた直販系ファンド。
そのアセットアロケーションは基本株式50:債券50です。(公式サイトの配分そのままだが四捨五入の関係できっちり半々にならない)
個人的には「債券50%はちと多いかなぁ」なんて思った憶えがあります。
大雑把な目安ですが債券比率=年齢とすると31歳の僕にはちょっと老けたアセットアロケーションかな?
株式:債券比率&地域比率は以下↓
ちょっと先進国に偏りすぎかも。
あと個人的には「新興国もっと入れときたいなぁ」 なんて思いました。
※目論見書で表記されている「太平洋株」「欧州株」「米国株」を先進国株に、「欧州債」「米国債」を先進国債としました。
そして低コストを謳ってはいるけど0.74%は格別低くは無い。。債券比率も50%なんだし。
ちなみにSMTインデックスシリーズを用いて同じような配分にした場合(短期資産は無し)のコストは↓
世界経済インデックスファンド
日本の低コストインデックスシリーズの元祖、「SMTインデックスファンドシリーズ」と共通のマザーファンドで運用されるバランスファンド。
地域&資産比率は↓
こちらも債券50:株式50ですね。。ちと老けてるかなぁ。
ただセゾンバンガードと違って新興国割合ががっつり35%です。
これは人に寄って賛否別れる所ですね。ちなみに僕は・・賛成でした。
逆に日本比率が10%は少ないんじゃ??と感じました。
もうちょっと上げてもいいよなぁ、日本人なんだし。。
SMTインデックスシリーズを組み合わせて自分で再現した場合のコストは↓
ほぼ同じ。
当然といえば当然か。
世界経済インデックスファンド(株式シフト)
同じくSMTインデックスシリーズのバランスファンド、株式偏重型です。
地域比率は通常の世界経済インデックスファンドと変えずに株式比率をググっと75%に上げています。
債券比率=年齢とすると、
25歳のアセットアロケーションか!?
個人的には攻めの配分で好感持ちました。
コストもノーマルバージョンと比べてやや上昇。
ただやっぱり日本比率の低さが気になる。。
SMTで再現コストは↓
あれ?0.04%の差。微妙っちゃ微妙ですが。。
全く同じファンドを組み合わせてるのに何の差?手間賃か?
世界経済インデックスファンド(債券シフト)
更にこちら世界経済の債券偏重型。
株式偏重型とは逆に債券比75%となります。
債券比75%って、、ジジイかっ!!
なんて思った記憶。。
守りに入り過ぎ感強すぎて個人的にはパスでした。その分コストもリスクも低くなってるとは言え、ちょっと面白くないです。
そしてやっぱり日本は10%のみ。
SMT組み合わせコストは↓
あれっ!?むしろ高い。。これならこのバランス型の方がお得。
SBI資産設計オープン(スゴ6)
こちらSBI資産設計オープン、資産成長型。通称スゴ6と呼ばれるファンドです。
これ、SBI個人型確定拠出年金のラインナップに入っているので、一時期購入を検討した憶えがあります。
ただコストが高い。一応低コストの部類に入るとは思いますが、セゾン同様0.73%はさほど目立たない。
この理由で僕自身も購入を見送りました。(SBIの確定拠出年金にはEXE-iがあるからね)
そしてこのファンドには新興国が一切入ってません。
その代わりと言っては何ですが、REITが20%入っているのが特徴でしょうか。
このアセットアロケーションを見て「やっぱREITも入れるべきか」と思った記憶あり。
しかし、こうして4資産に20%、REITに10%ずつ均等配分したアセットアロケーションは中々新鮮でした。
「余計な意思」は入れずに機械的に考えるのも良いのかも。未来は誰にもわからないんだからさ。と実感。
SMTコストだと↓
低い!これなら断然自分で組み合わせた方がお得。
eMAXIS バランス(8資産均等型)
日本の低コストインデックスシリーズの二大巨塔、SMTとeMAXIS。
そのeMAXISシリーズの8資産バランス型ファンド。
これ、最初見た時は「え!?こういうのも有りなんだ!!」とだいぶ驚いた憶えがあります。
SBI資産設計オープンもそうですが、それ以上の潔さです。
いわゆる「さるダーツ戦法」と通じるものを感じますね。
※さるダーツ・・・株式運用の際、猿にダーツを投げさせて偶然命中した銘柄でポートフォリオを組んだ場合と、プロの投資家があれこれ考えて組んだポートフォリオとでその運用成果に大差がないという例え話。
前述のSBI資産設計オープンもそうなんですが、あれこれ考えてもわかんねーから全部均等に配分しちまえ!!的な配分も有りなんだ。という事を知りました。
というか、これぞ究極の「分散投資」という気さえします。
地域比、資産比もいい感じでバランスが取れてます。
ただ個人的には債券比37.5%はちょい高いかな。。
あと、もうちょい新興国割合増やして3等分になる位でもいいかも。という感想を持った。
ちなみにSMTコストだと↓
さすがSMT。eMAXISより低コスト。
そして僕のアセットアロケーション
いかがでしたでしょうか。
こうやって数種類のバランスファンドを観察するだけでも、「んーもっとこうだったらなぁ」とか「これがこうだったらいいのになぁ」等々、微妙な違和感がちょいちょい出てくるもんです。
だったらその違和感を感じないアセットアロケーションを自分で組めばいいんです。
逆に言えば、そういう違和感を全く感じない「これだ!」と思えるバランスファンドがあればもちろんそれ一本で運用しても良い。ただ、SMTコストで示した様に、同じアセットアロケーションでも自分で組み合わせた方が大抵低コストです。
でも僕の場合はそういうバランスファンドを見つけることが出来なかったので自分で組むことにしました。
バランスファンドの観察で最も影響を受けたのはeMAXISバランス(8資産均等)です。
「余計な意思は入れすぎずに機械的に配分しちゃう」というやり方に共感。
世界の時価総額比率に沿った配分、GDP比率に沿った配分等、色んな考え方がある中で全部均等に配分するのも「分散」という点では理にかなっているような気がしました。
「考えてもわかんねーから8資産入れちゃえ!」位の気持ちです。さすがに全部均等にはしませんでしたけどね。。
債券比率下げたかったし。
上記のように新興国:先進国:日本の比率は基本的に等分を意識してます。
先進国と日本それぞれの、株式:債券:REIT比率も等分配分を意識。
この内容で実質コストは0.49%。
このあたりが僕の落とし所でした。
実際の積立ファンド等はこちらの記事で↓