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新興国株式への長期投資は本当に報われるのか??

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現在、基本アセットアロケーションを

  • 米国株 50%
  • 日本株 25%
  • 新興国株 25%

に設定しているわたくしモッティですが、今回ふと湧いた疑問をあれこれ考えてみます。

ズバリ、新興国株式の長期投資って本当に報われるの?というお話。

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新興国株式、長期投資の是非。

積立投資を開始した当初、投資のセオリーに習って幅広く全世界の株式やアセットに分散すべく先進国株、日本株、新興国株、内外債券に分散積立投資を行っていました。

その流れで現在も新興国株式への投資を継続しています。

人口ボーナス、経済成長著しい等々、新興国株式への投資を勧める指南書はたくさんありましたが、

しかし、ちょっと待てよと。本当に新興国株式への投資が大きなリターンをもたらすのだろうかと。

まずはその値動きを紐解いてみました。

新興国株式ETF「VWO」15年チャート

↑こちらは新興国株式に投資する代表的なETF「バンガード®・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)」設定当初2005年から現在までのチャートです。

まだおよそ15年間分のチャートしかないのが残念ですが、VWOの値動きはご覧の通り。現在も巨大なボックス相場の中にいることがわかります。

2005年からリーマンショック直前までの値動きは凄まじいものがあり、この頃は言わば「新興国株式ブーム」であったと聞きます。と言うと、「もしかして今は米国株式ブームなんじゃ・・」と一抹の不安が頭をよぎりますが、それは一旦置いておいて、、

ご覧の通り、VWOはリーマンショック直前の2007年10月に付けた58.64ドルの最高値を未だ更新することなく、下は35ドルから上は45ドルの幅の中で行ったり来たりを繰り返しています。

その幅から飛び出た2016年2月の最低値30.73ドルから、2年後の2018年1月の49.84ドルまではひとつの大きな相場だったことが分かりますが、その後はまた35ドル〜45ドルの幅の中に収まっている気配があります。

たった15年のチャートで何かを断定するのは危険ですが、「ひょっとしたら」新興国株式というのはこういう傾向にあるのかもしれません。

例えば、2年〜3年単位の値動きを上手く捉えて短期投資で儲ける。

そういう値動きの性質があるのではないか。というのが第一の疑問。

名目GDPと連動しない。

そして、もう一つは各新興国の経済成長を表す指標との連動性。

VWO、最新の国別比率を見てみると、

  1. 中国 34.4%
  2. 台湾 13.4%
  3. インド 11.2%

と、この3カ国で実に59%に達しています。ということで、この3カ国の名目GDPを見てみましょう。

中国

台湾

インド

※いずれもceicdataより

どれもここ10年のものですが、要は3カ国とも多少のアップダウンはありながらも大局的にはちゃんと右肩上がりになっているんですよね。

しかし、これら3カ国で60%を占めるVWOの成績は前述の通り、決して右肩上がりのチャートにはなっていません。

かのジェレミー・シーゲル教授は「株式投資の未来」の中で、「経済成長率の高い国もしくは企業の株が必ずしも投資家に同じ様に高いリターンをもたらすわけではない」と述べています。

高いリターンをもたらすのは期待収益に対して実収益が大きくアウトパフォームした時、つまり、たいして期待されていなかった国もしくは企業が期待を超える実収益を記録した時に訪れると。

「株式投資の未来」の中では一例として、1992年から2003年にかけての中国株とブラジル株のトータルリターン比較が出てきます。

成長著しくぐんぐんと経済成長を続ける中国と、衰退の中にあったブラジル。単にイメージで言えば、圧倒的に中国株の方が投資リターンをもたらすかのように思えますが、実際にはブラジル株の方が圧倒的にトータルリターンが大きかったのです。

同じ様にVWOが投資する各国はいずれも発展著しい新興国ばかりです。GDPも右肩上がりで成長中。しかしだからといって投資リターンも右肩上がりになるかと言うと、決してそうではないことが3カ国のGDPとVWOのチャートを眺めていると分かります。

米国株と新興国株

先程のVWOのチャートに米国株主要インデックスであるS&P500の値動きも重ねてみます。

がS&P500インデックス。

うーん、どうでしょうか。行ったり来たりを繰り返すVWOと比べるとS&P500は大局的にきれいな右肩上がりのチャートを描いているように見えます。

だから新興国株など不要だ!米国株オンリーでよい!

などという安易な結論を出すつもりはありませんが、どうもS&P500の方が長期投資が報われるような気がしてしまいます。

しかし、2005年からの15年比較だと、VWOがS&P500インデックスに追い抜かれたのは2015年あたりだったんですね。

ということは、このチャートが再び逆転に転じる可能性だって充分にある訳で、、、だからモッティは大いに悩んでいるのです。

投資って難しいですよねぇ。そして面白い。

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