前回記事「コアサテライト戦略がしたいんです。」の続きです。
さて、前回記事でポートフォリオ全体の20%程をアクティブファンドへ投資すると結論づけました。
記事投稿後、色々なブロガーさんからとっても勉強になるツイートをいくつか頂きまして、実は現在「一度白紙に戻して考え直さなきゃかな」と思っている最中。。
コアサテライトをやるかやらないかも含めて検討中なんですが・・・
とりあえず色々とブログ用にグラフを作ったりなんかしたので一応当初の予定通り「コアサテライト戦略がしたいんです」第二部をお送りしたいと思います。
アクティブファンド選び
現在僕が積立投資しているアセットクラスは以下の8つです。
- 日本株式
- 先進国株式
- 新興国株式
- 日本債券
- 先進国債券
- 新興国債券
- 日本REIT
- 先進国REIT
そして現在のアセットアロケーションはこちら↓
現状100%インデックスファンド(EXE-i含め)に投資している訳ですが、これの20%前後をアクティブファンドに置き換えようというのが現時点での僕のコアサテライト戦略。
ではどのアセットクラスのアクティブファンドを購入するのか。これが次の課題でした。
この8つのアセットクラスのうち
- 新興国株式
- 日本REIT
- 先進国REIT
は既に充分攻撃的なアセットクラスと考えています。すなわちリスクも高い。
サッカーで例えるならFW。しかもかなり攻撃的で守備には一切関与しないようなストライカータイプ。(ブラジルW杯のメッシみたいな?)
この3つの攻撃的アセットクラスを更にアクティブに、超攻撃型にしてリスクを高めるのはちと勘弁です。
なんせこの3つは既にコアサテライトのサテライトに分類される事もある位ですから。。
で次の3つの債券クラス君達。
- 日本債券
- 先進国債券
- 新興国債券
は主に守備を担当してもらうべく僕の資産配分に組み入れています。
サッカーで例えるならDF。守り専門の人たちですね。
と言いながらも新興国債券くんはDFでありながら攻撃にも参加しにいってリスクも取って来ちゃうサイドバック的性格。
先進国債券くん、さほど攻撃には行かないものの肝心の守備力が昨今問われている存在ではあります。
守備力で言えばやはり日本債券くんが要。大黒柱のセンターバックですね。
一応このお三方に対してはこういう認識で資産配分の一角を担ってもらっています。
何だかんだ言いながらもDFは守り重視。守備の人たちをアクティブにして攻撃的にしたら
「じゃあだれが守るんだよっ」って言うサポーターの声が聞こえてきそうなので、、この3つもそのままインデックスでステイです。
で、最終的に残る2つ、
- 日本株式
- 先進国株式
この2クラスにアクティブファンドを何割ずつか組み入れたいと考えています。
サッカーで例えるなら普通のMFから攻撃的MFにチェンジするようなイメージですね。
さて有望な選手はいるのでしょうか。
日本株式アクティブファンド
アクティブファンド選びは兎にも角にもパフォーマンス重視です。だってそれが目的ですからね。
試しにモーニングスターのファンド検索を使っていくつか気になるファンドをリストアップしてみました。
- 国内株式型
- 償還までの期間 30年
- 純資産総額 3000百万円
で条件検索をかけ、更に「リターン(長期)」で並べ替えると以下の様になりました。
デフォルトでは5年リターンの良い順に並んでいるようです。この中から気になるファンドとして以下3つをピックアップ。
- SBI 中小型割安成長株ファンド 『愛称:jrevive』
- JPMザ・ジャパン
- ひふみ投信
1つ目の「SBI 中小型割安成長株ファンド 」
なんと言ってもそのリターンの高さが目に止まりました。
ここ1年でなんと63.62%、3年40.73%、5年27.19%。うーむすごい数字です。これぞアクティブと言いたいくらいの数字。
信託報酬は1.84%とのこと。申込手数料は3.24%(SBI証券インターネットコースでは0%)
ちなみにどのファンドのリターンも信託報酬や売買委託手数料等込の数字です。
つまり1.84%のコストを差っ引かれた上でこのリターンということですね。中々です。
次の「JPMザ・ジャパン」、こちらはあまりにも資金が集まり過ぎて一時期新規申込中止をしていた程のファンド。らしい。確かに様々なブログでお目にかかる機会が多いファンドです。
人気ファンドだけに、純資産額は1300億円超え。10年リターンで並べ替えると13.79%で堂々トップに来るファンドなので比較対象とします。
信託報酬は1.86%、残念ながら申込手数料3.24%(SBI証券でも1.08%)
3つめの「ひふみ投信」
こちらは投資ブロガーさんの中にも保有している方が多いファンドですね。
レオスキャピタルワークスが運営するいわゆる直販系投信。信託報酬は1.08%、申込手数料は0%のノーロード投信です。
運用開始はリーマン・ショック真っ只中の2008年10月。まだ6年程しか経っていませんが純資産も順調に右肩上がり。色んな投信ブログで記事になっている事が多く、実は一番気になっているファンドでもあります。
この3つのファンドに加え、比較用として現在SBIの確定拠出年金口座で積立中の
- SBI TOPIX100インデックスファンド
を加えた計4ファンドを比較してみようと思います。
パフォーマンス比較
モーニングスターより各ファンドの月次リターンデータをダウンロードしてグラフを作成してみました。
まずは3年リターン比較↓
最終的には赤SBI 中小型割安成長株ファンドがトップ、青JPMザ・ジャパン、緑ひふみ投信が続くという状況ですが、13年の夏頃まで特にひふみ投信はオレンジSBI TOPIX100インデックスと抜きつ抜かれつの状況でした。最終的には各アクティブファンドはTOPIXのインデックスファンドを上回っていますが、さほど差は無いようにも見えます。
続いて6年リターン↓
更に6年(正確には5年11ヶ月)の累計で見ると景色はがらりと変わります。各アクティブファンドとSBI TOPIX100とのパフォーマンス差は歴然としてきますね。
08年10月から14年8月までの5年11ヶ月間の累計リターンは、
- SBI 中小型割安成長株ファンド 141.20%
- JPMザ・ジャパン 134.84%
- ひふみ投信 103.97%
- SBI TOPIX100 35.58%
という結果になりました。
約6年間でこれだけのリターン差が出るとすれば、アクティブファンドへ投資する価値は充分にありそうだと考えます。
但し、SBI中小型割安成長株とJPMザ・ジャパンは購入方法によって1%〜3%超えの申込手数料が発生する点には注意が必要です。当然これを加味すればリターンはマイナスしますので、グラフにすれば下方推移した線が表れるはずです。
※申込手数料を加味した累計リターンの出し方がわからなくてグラフに出来ませんでした。ごめんなさい。。
最後に8年リターン↓
ひふみ投信の運用期間はまだ8年ありませんのでグラフから脱落です。
ちょっと赤線に注目です。
このグラフは2006年9月からの8年間の累計リターンです。そしてSBI 中小型割安成長株ファンドが設定されたのは2006年7月末。
見る限りこのファンドは設定から2010年の1月頃まで恐ろしく酷いパフォーマンスだった事が伺い知れますね。
オレンジ線がSBI TOPIX100。インデックスファンドを余裕で下回るパフォーマンスを3年半程続けていた事になります。まさしくアクティブファンドとして全く投資価値の無い状態。 2011年4月頃から上昇に転じ最終的にはインデックスファンドを上回る成績になりましたが、こういう過去のひどい成績を目の当たりにして正直一気に購入意欲が引けてしまいました。
もちろんここで示した3つのグラフは過去の実績に過ぎません。あくまで過去のデータだということを念頭に置いた上で、これをどう捉えるかは自分次第です。
過去の結果は未来のそれを確約するものでは無いし、もしかすると真逆の事が起こる可能性だって同等に残されています。
SBI 中小型割安成長株ファンドはそのいい例です。
2010年1月時点から左、過去を見れば「インデックスファンドにも勝てない最悪のアクティブファンド」、
2010年1月時点から右、未来を見れば「インデックスファンドを70%も上回る成績を出す優秀なアクティブファンド」
となります。
未来は誰にもわからないのです。
まとめ
あくまでも過去の実績に過ぎない、ということを念頭に置いた上で僕が感じたことは、
「アクティブファンドに投資する価値はありそうだ」ということ。
ご覧のように、今回はモーニングスターで「長期リターンが良い順」に並べ替えたファンドを上位からいくつかピックアップしてリターン比較。
そのいずれのファンドも大幅にインデックスファンドを上回る成績を過去に残している。という事実は日本株式クラスにおけるアクティブファンドの「存在価値」をしっかりと感じさせました。
未来はわからないけれども現時点では「日本株式の何割かをアクティブファンドに任せても良いのではないか」「インデックスファンドを上回る成績を残してくれるんではないか」というポジティブな印象を抱いています。
じゃあどのファンドにするのか。
この3つの中で言えば、、、
ひふみ投信
ですかね。
理由は、、、
- SBI 中小型割安成長株ファンド、SBI証券では「口数買付」しか出来ずしかもNISA対象外。過去の酷パフォーマンスが気になる。
- JPMザ・ジャパンはSBI証券にて購入時手数料1.08%取られる。人気がありすぎてなんか怖い。2013年は資金流出が続いていた。
といったところ。
パフォーマンス重視だとか言っておきながら結局それ以外の理由だったりするのはご愛嬌。。
この2つと比べればひふみ投信のパフォーマンスは見劣りするものではある。が、それでもインデックスファンドを裕に上回る成績を残している。
コストが安い。運用者の顔が見える。。
そしてもうひとつリスクが低い
この表↑ 左がSBI TOPIX100インデックスファンド、右がひふみ投信です。
どうですか、インデックスファンドと同等もしくは下回る数値です。
リターンは当然ひふみ投信の方が良い、にも関わらすリスクは低い。これってすごいです。
調べてみるとひふみ投信は場合によって現金比率を最高で50%にまで高める(つまり株式比率も50%にまで下げる)運用戦略を取っている様です。だからリスクを抑えられるんですね。ただ、それは運用そのもののリスクが低い訳ではなくて、現金を抱えながら運用しているから結果的に低リスクになっているだけ。
だから運用そのものの良し悪しを比較するならばインフォメーションレシオで。というのが水瀬氏の指摘でした。
なるほど。とても勉強になります。
いずれにしろひふみ投信が他のアクティブファンドと比べてかなり低リスクであることは投資する側にとっては大変ありがたい事。
事実、JPMザ・ジャパンのリスクは
とかなり高い。ってかすんごい高い。。
これらの点を踏まえて結論、、
日本株アクティブファンドはひふみ投信。に任せてもいいんじゃない?
現時点はひふみ投信を超えるリターンを叩き出す良質なアクティブファンドです。
参考までに