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20代前半からの株式投資はインデックス投資信託で充分だ。

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今回もTwitter DMにて22歳、会社員の男性Tさんより資産形成に関する質問を頂きました。

前回のアドバイス記事↓をご覧になり、「居ても立ってもいられなくなって」メッセージしたとのこと。

20歳代独身、年収350万円からの投資「どうやってお金を稼げばいいですか?」

目次1 22歳独身、年収350万円「投資でお金を稼ぎたい」。1.1 20歳前後で投資をスタート出来れば未来は確実に変わる。1.2 現金と投資資産への積立を同時進行するイメージで。1.2.1 生活防衛資 ...

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今回も20代前半の若者。つくづく羨ましい・・・

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投資相談。株を買うにはどうしたらいい?

「毎月一定額の株をコツコツ買っていきたい」というTさん。

まずは、前回の記事にも書いた、「投資を出来るだけ早く始める意義」についておさらいします。

早く投資をスタートして複利効果を得る。

毎月4万円を年利6%で積立運用した場合

前回も使用したグラフで恐縮ですが、これは年率6%の利回りで毎月4万円の積立投資を行った場合の元本と運用益を表したものです。

左が積立期間40年、右が20年です。

一目瞭然ですが、元本は同じ1,920万円にも関わらず、運用期間が倍違うだけで運用益は3倍以上の差が付いています。

これが「複利の効果を最大限利用する」ということです。

Tさんのように22歳から積立投資を始める意味、意義はここにあります。「お金が貯まってから」ではなく、出来るだけ早い時期から少額でもよいのでコツコツと長期で運用をする。

何十年というスパンで見れば、両者には圧倒的な差が生まれます。

そういう意味では、Tさんが「居ても立ってもいられなく」なり、手探り状態でもとにかく「投資を始めよう」と思いたち、そのための行動に出たことは未来の自分のを大きく変えるターニングポイントになるはずです。

素晴らしいですね。つくづく、「自分ももっと早くに気付いていれば・・」と思わずにはいられません。

日本株の最低売買株数

さて、Tさんは前回の記事を見て頂いたことで、自分の年齢も考慮し、まずは株式への積立をメインに考えているようでした。

まずは「株を買う」ということで、シンプルに日本の個別株を購入することを思い立ち、証券会社のHPを覗いているとあることに気付いたそうです。

最低売買株数が100株だ・・。

そうです、日本の株式市場の最低売買株数はお察しの通り、100株です。例えば株価2,250円の銘柄であれば×100株で最低225,000円の資金が必要です。当然、銘柄によっては1,000円を下回る株価を付けているものもありますので、10万円以下で買い付けできる場合もあります。

この場合、Tさんがイメージする「毎月2〜3万円の積立買付け」を実現するには、株価200円〜300円の銘柄に対象が絞られてしまうことになります。

しかし実際には、例えばワンタップバイでは最低売買株の単位を株数ではなく「1,000円」と金額ベースにすることでこれを解決していたり、各証券会社でも手数料が割高になるものの「単元未満株」として1株から買付けできるサービスがあります。

ということは、Tさんがイメージする「毎月2〜3万円の積立買付け」を日本株で実現することは不可能でもないのです。

集中投資か分散投資か。

しかし、その前に日本個別株で資産形成のための積立投資を行う必要があるのか。というそもそもの所を考える必要がありそうです。

「株を買う」方法は実に色々とあります。

当然、Tさんが想像したように「株式市場で直接個別銘柄を買う」のも方法のひとつ。といっても大切なお金をたった1社の株で運用するのはあまりに集中の度合いが過ぎるので、最低10社〜最高20社程度の銘柄に分散して投資するのがベターになります。

もちろん世の中にはたった数社の銘柄に集中投資して、結果的に上手くいき、大きな利益を手にする人もいます。反対に、たった数社に集中投資した結果、散々な結果に終わる人もいます。

一般的には集中投資をすればするほど大きなリターンを得る可能性も高まりますが、同じく位大きな損をする可能性も高まります。分散投資をすれば、リターンは程々になりますが、集中投資と比べれば損失も程々に収まる傾向が強まります。

Tさんの場合はまだ22歳。保持している圧倒的な時間量を武器にして、程々のリターンを長期間積み上げて複利の効果を最大限享受していく。というアプローチの方が賢明だと感じますし、私がアドバイス出来るのもこちらの方法です。

株を買う方法は様々にある。

では、どうやって分散投資を実行するか。

前述したように、複数の個別株を組み合わせてポートフォリオ(保有銘柄のラインナップ)を組み、毎月一定額をコツコツと積立していく。という方法ももちろん有りです。

それを日本株のみで行う選択もありかもしれませんし、米国株のみ、中国株のみ。もしくは全世界の銘柄に幅広く分散。という選択肢もあるかもしれません。ただし、個別株においては「銘柄の選択」という最も難しく、最も大事な作業を行わなければなりません。何十年というスパンで考えれば、倒産もあるかもしれませんし、経済構造、産業の変化に伴って業績が縮小。という可能性も否定できません。

それに伴って出来るだけ異なる業種の銘柄を選んだり、景気に強い株、弱い株を組み入れたり、様々な入れ替えが必要になるかもしれませんし、そもそもどの銘柄を組み入れるべきか詳細な分析が必要になります。

もちろん、そういったこと、つまり投資のプロセスそのものに時間を掛けたり数字を見ることが好きであり、得意である。という場合はそういう手法でのアプローチも良いのかもしれません。

私自身はもう少し手間を縮小して、投資活動以外の人生も楽しみたい。という考えなので、この方法には至ってません。

ここは、自分自身とよく向き合って決めたらよいと思いますし、途中でどんどん方針転換して望む方向が徐々に定まっていけば良いと考えます。

ハードルが低いのは投資信託

そこで出てくるのが投資信託=ファンドです。

投資信託は、言わば株のパッケージ商品。ひとつの投資信託を買うことで数十〜数千の銘柄に間接的に投資することが出来ます。つまり、投資信託そのものが分散投資になっているとも言えます。

銘柄の選定はその投資信託が行い、投資する側は目的に即した投資信託を選ぶだけです。

同じようなものにETFがあります。日本名は上場投資信託と言いますが、細かい違いはあるにせよ概ね投資信託と同じようなもの。と理解して頂いて構いません。

この投資信託、実に星の数ほどの種類があり、何もヒントがない状態で目的のものを探し出すのは至難の技と言えます。

短期的な投機資金が入りやすいもの、特殊なテーマ銘柄に投資するもの、長期の資産形成を目的としたもの。様々な用途と大きさに合わせて多種多様なクルマがあるように、投資信託にも実に様々な(とんでもないものも含めて)存在しています。

手数料体系は大きく分けて2つ。

  • 購入時手数料
  • 信託報酬

購入時手数料はその名の通り買い付け時の手数料。今や0%が基本ですが、今でも数%の手数料を取るファンドもあります。

2つ目の信託報酬はどのファンドにも発生します。年率で0.数%〜数%までの比率で資産から引かれていきます。当然、これらは低ければ低いほど良いです。ちなみに投資信託の成績はこの信託報酬を差し引いた後の数字が表記されています。

最低投資金額は500円や1000円と、気にしなくても全然大丈夫なものが多数あります。

どれくらいのリターンを想定するか

ところで、株式投資によるリターンはどれくらいを想定すれば良いでしょうか。

ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」というアメリカの株式市場過去200年のデータを検証した名著がありますが、これによれば米国株式市場の平均リターンは年率6.5%〜7%だそうです。

「平均リターン」とはつまり、個人投資家を始め、様々な機関投資家(つまりプロのトレーダー)を含めた全ての市場参加者の平均値。と言うことです。

この平均値を株式指数=インデックスと呼びます。

このインデックス、世界中に様々なものがあり米国で言えば「S&P500」や「ダウ平均株価」があります。前述の「株式投資の未来」で紹介された市場平均もS&P500によるものでした。

日本で言えば日々のニュースで耳にする「TOPIX」や「日経平均株価」があります。

株式投資を行う上でのリターンはひとつ、この市場の平均値=インデックスが基準値となります。あくまで米国株の過去の統計から言えば、年6.5%〜7%のリターンは期待していい。これが冒頭の積立40年と20年のシュミレーションで「年率6%」という数字を使った理由です。

また前述したように、自らで直接10〜20銘柄の個別株に投資して保有する場合、投資成績の基準としてもこのインデックスを基準にすることになります。自分があれこれ悩んで選定した銘柄への投資成績が、結局、株式市場全体の平均成績に劣るようでは意味がありません。少なくとも同じか、インデックスを上回らなければ、手間暇かけて銘柄分析をして個別株に投資する意味がないのです。

それはなぜかと言えば、市場の平均=インデックスへの投資はいとも簡単に出来てしまうからです。

インデックス投資

米国で言えばS&P500やダウ平均株価、日本で言えばTOPIXや日経平均株価。これと同じように世界各地に様々なインデックスが存在します。(もちろん債券のインデックスもあります)そしてそのインデックスに投資する投資信託も当然のように存在します。

もし市場の平均リターンを獲得したければインデックス投資信託(インデックスファンド)に投資してしまえば済む話です。

例えば、個別株式だけに投資した場合、その成績が平均であるインデックスを下回り続けるようならば、よほど思い入れがある場合は別として投資としては失敗です。単純にインデックスに投資してしまえば良かったよね、という話になります。

市場の平均に投資する。つまりは、「市場全てに投資する」ようなイメージでしょうか。

当然、間接的に投資する銘柄数は何百、何千となり、言わば究極の分散投資とも言えます。前述した手数料も、市場平均を獲るというシンプルな構造のおかげでかなり低コストです。

このインデックスへの投資を地域分散しながら行うのが、資産形成のひとつの解となります。日本のインデックス、先進国のインデックス、新興国のインデックス。ジャンル毎にひとつずつのインデックスファンドを組み合わせて配分しても良いですし、全世界の株式インデックスにひとつの投資信託で投資出来るものもあります。

22歳という若さをいかして、年率5〜7%程度の市場平均リターンをコツコツと積み上げる。もちろん、「目標1億円」というような壮大な額に至るにはそれなりの積立額が必要ですが。。

インデックス+個別株もあり

インデックス投資で足元を抱えつつ、Tさんが気になっていたように+α、勉強も兼ねて個別株にも投資してみる。というのも充分にありだと思います。自分のお金ですからね。自分が納得行く使い方をすべきですね。

自分が好きな商品、サービス、分野にまつわる銘柄を国内海外問わず保有してみるのも面白い思います。資産全体に対する比率には気をつけつつ、うまく行けば超過リターンを得ることが出来るかもしれませんし、逆に損失を被るかもしれません。

その辺りはひとつの経験ですが、しかしあれこれとやってみたはいいものの、投資の成績はインデックス=平均を下回ってた。という事はプロの世界でも往々にしてあることです。

「投資の大原則」(日本経済新聞出版社)によれば、米国株式市場1992年〜2012年の20年間において、インデックスを上回るべく設定された投資信託=アクティブ投資信託の平均成績は年率7.00%、S&P500は年率8.34%だったそうです。

同期間において、「S&P500に勝ったアクティブ投信は全体の27%しかなかった。」というデータもあります。

実直にインデックス投資を続けていた方が儲かっていた・・というパターンも多いことは頭には入れておくべきでしょう。

いずれにせよ、若年期から実直に、コツコツと資産を形成していく。時間を味方につける。今から始めれば数十年後には大きな果実が実っている。はずです。

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