角田光代作「紙の月」はお金との付き合い方を考えさせられる。

公開日: : 最終更新日:2014/06/27 書評

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昨年末あたりに図書館で手にとっておもしろそうだったので読みました。
今年に入ってからNHKでもドラマ化されていましたね。
角田光代作「紙の月」

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角田 光代
角川春樹事務所
2012-03-15



「銀行員として働く主婦が1億円横領する」
という話。
もちろんフィクションなんですが、読み終わって
「あぁお金ってなんなんだろうなぁ」と思わされてしまいました。

主人公はもちろんその他の登場人物も各々お金に振り回されていく様が、痛々しく、フィクションならではの生々しさで描かれています。

この中に節約志向が強い主婦が出てくるのですが、そのキャラクターが印象に残りました。

序盤は「浪費や買い物依存」等、
一見お金と上手く付き合いきれていないタイプの人間との対比でいかにも
「お金に振り回されずうまく付き合っている」
様に描かれているのですが、話が進んで行くに連れ徐々にその節約志向が過度に膨れ上がっていきます。

金、金、かね、カネ。

そしてやがては同じように「振り回されていく」様子が何とも悲しく感じました。

投資をして資産を増やそうと思ったり、より良い賃金求めて転職をしようと思ったり。

私たちがお金を求めるのは、お金によってもたらされる幸せがあることを知っているから。というか信じているからでしょうか。

結局は皆幸せを求めてお金を求めていたはずなのに、そのお金によって不幸になってしまったり。

そういう「お金にまつわるエトセトラ」をフィクションならではの味付けで生々しく見せつけられる一冊。

そして自分自身のお金との付き合い方も考えずにはいられない、そんな一冊でした。

角田光代さんの本では他に「八日目の蝉」が好きですが、
この方の本の
「圧倒的な不幸や絶望的な過ちの中から何を見るか」
みたいな所が個人的に好きです。

話自体は決して良い話でも気持ちの良い話でもないのだけれど、
でも何かその中に「一筋の光」を見るような、「微かな希望」を感じるようなそんな所がとってもおもしろい。

ところで毎回思うんですが、本を読んだ後に映画化やドラマ化されたものを見ると大抵物足りなく感じてしまうのは私だけでしょうか。。

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