「投資戦略の発想法(2010)」を読みながら生活防衛資金について考えてみる。

公開日: : 最終更新日:2015/02/23 守りについて, 書評

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以前書いた記事の中でもサラッと触れていますが、今回は投資をする際に必ず必要だとされている「生活防衛資金」について改めて考えたいと思います。

参考マイ資産配分が債券比20%でハイリスクな理由。無リスク資産も含めた考え。

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前回記事中では「生活防衛資金は個人的に6ヶ月もあれば良い、更に無リスク資産に含めてしまってもいいのでは?」

というような事を書きましたが、、、この部分に関してのツッコミがたくさん寄せられました。

「6ヶ月でホントにいいのか」

「2年が妥当じゃないのか」

「無リスク資産資産に含めるのはさすがに違うのではないのか」

等々。

 

そしてこのようなお叱りまで↓、、

はじめから生活費の2年分を提唱してます。ご自身がやりたい運用が十分にできない状況に目を背け、自分に都合がいいように各種定石を拡大解釈していくのはよくないと思いますよ。資金が足りないなら貯まるまで待つ、もしくはリスク許容度が極小である前提の資産配分にする。

お、おう。。。

結構な剣幕で怒られたなこれは。。

 

と、自分的にも少々修正が必要かな?と反省し、改めて今回はこの「生活防衛資金」の部分について考えてみました。

というか、実際まだ考えてる最中ですが・・・

生活防衛資金は自分的にいくら必要か

そもそも「生活防衛資金」という呼び名を誰が言い始めたのか。

という所を辿ると、、、こちらの本に行き着きます↓

木村剛氏「投資戦略の発想法

この著書の中で「自分と家族の生活を守るため」の「生活防衛資金」という言葉が使われたのが原典らしいです。

本の出版は2005年。

その後「投資戦略の発想法〈2008〉」、「投資戦略の発想法〈2010〉」と計3冊が出版されている様です。

それならば、まずはこの本を読んでみようじゃありませんか。

ということで、一番新しい「投資戦略の発想法〈2010〉」の中古本をAmazonで購入。

お値段500円ちょい。安っ。

 

まだ読み進めている最中ではありますが、、、

個人投資家の間では既にバイブルとなっている良著。うむ。確かに。

僕みたいなペーペーにもガツンガツン響く事がかなりたくさん書いてありますので、まだの方は是非読んでみてください。

 

で、出てきました生活防衛資金。

読み進めてみるとひと言に「生活防衛資金」と言っても実に様々な役割(機能?)があることがわかります。

以下、この本を読みながらその主な3つの役割について整理してみます。

自分の生活を守るために

ひとつ目。これは言わずもがな、生活防衛という言葉そのままですね。

生活防衛資金と聞いてまずこの事をイメージする方が大半なのではないでしょうか。

 

本の中では

世の中で何が起きようが、会社が倒産しようが、クビになろうが、自分と家族の生活を守るという一点をベースにして、投資戦略を考えるべきです。

という具合に書かれています。

投資戦略のために、という色が強いですが「生活を守る為」という点で言えば、投資をしてる・してないに関係なく万人が用意すべきお金ですね。

 

でもその守るべき対象が「自分だけ」でいいのか、「家族も」なのか。

その「家族」は妻だけなのか、子供もなのか、はたまた両親、兄弟、祖父母もなのか。

また、実家の状況はどうなのか。例えば人生最悪の事態に直面した時に一時的に実家に帰省、「シェルター」的役割を期待しても良い状況なのか。

両親は元気なのか。等々。

言い出したらきりが無いくらい人それぞれの事情によってこの辺りは多様に変化しそうです。

 

また、例えば会社が倒産して解雇になった場合には失業保険が、

ケガや病気によって働けなくなった場合には健康保険の傷病手当(国保はない)が、それぞれ給付されます。

 

失業保険の受給要件はこちら↓

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※この表は、解雇などの会社都合による退職の場合です。(失業手当ての基礎知識)より

もちろん給料の全額ではなく50%〜80%ですが、僕(31歳)の場合少なくとも3ヶ月分、勤続5年以上で6ヶ月分です。

 

傷病手当は社会保険の健康保険に付いている手当です。

病気ケガによって仕事が出来ない場合に給料日額の3分の2を受給できます。

期間は最長1年6ヶ月まで。結構手厚い。。

余談ですが「傷病手当があるから医療保険は要らないんだ」と語られることもありますね。

全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだ時」

 

少し話がそれましたが、、自分が失業保険や傷病手当を受給できる立場なのか、また、その要件はどうなのか。

それにによっても「自分と家族を守る為の生活防衛資金」の考え方は変化しそうですね。

再就職への交渉力

ふたつ目。

これは「生活を守るため」とリンクする部分でもあります。

生活防衛資金がしっかりとあれば、失職後の再就職活動時に心の余裕や平静を保ってじっくりと取り組むことが出来る。そう説かれています。

あせって、「とにかく何でもいいから仕事をください」と頭を下げて回らずにすみます。足元を見られずに、対等な立場で交渉するためにも、2年間の猶予はほしい。

最初の1年がダメでもあと1年あると思えば、心の平安を保つことができます。

ふむ。なるほど。

確かに再就職活動に焦りは禁物ですもんね。じっくりと丁寧に就職先を選びたいもの。

 

ただ、これも各人の置かれた状況で色々と解釈が変わりそうです。

例えば年齢。

ごく一般的に言われているのは年齢が若ければ若いほど再就職は決まりやすい。という事。

その観点から考えてみると自分の年齢が上がるにつれ、生活防衛資金も増やしていくのが理想でしょうか。

31歳の自分が、41歳になった時にはまたガラッと解釈が変わりそうです。

 

あとは仕事の内容。

どの会社からも引く手あまたの専門性が高い職種なのか、それとも代わりはいくらでもいる様な職種なのか。それによっても変わってきますね。

僕はと言うと・・・・専門性は高くないですね。残念ながら。

飲食業界は全体的にその傾向が強いかもしれません。その中でも今後いかに専門性を高めて替えの効かない人材になるかが自分の課題でもあります。

キャッシュフロー・リザーブ・アカウント

3つ目。

なんのこっちゃ。

直訳すると・・・「資金待機口座」?

 

元はハロルド・R・エバンスキーという人が提唱した投資実務戦略。らしい。

顧客が必要とするキャッシュフローの2年分を予め投資口座から隔離しておく戦略。

「われわれのキャッシュフロー戦略を採用しているクライアントはよく眠ることができ、キャッシュフローが非現実的な結果になっても慌ててわれわれをせきたてることもなく、金利動向を1時間単位に監視する必要もなく、市場の急激な変化も楽々と切る抜けることができる」

だそうです。生活防衛資金を投資戦略的に考えてみるとこうなるんですね。

 

つまり、例えばリーマンショック級の大暴落が訪れても焦って狼狽売りに走るような必要が生じず、淡々と今までどおりの投資戦略を実行するための戦略。ということでしょうかね。

もし全財産を投資にまわしていたら、そういう大恐慌時に平静を保つことはかなり難しそうです。

おまけにその煽りを受けて仕事も失っていたら・・・生活のためにガッツリと減った資産を泣く泣く売却、損失が確定されるかもしれない。

そういう事態に陥っても、僕の場合で言うと粛々と積立投資を続けること。そして損失を確定させないこと。 この2点を守れるかどうかでその後の投資成績は大きく変わってきそうです。

長い目で見れば大暴落時は絶好の買い時ですからね。そこで「売らなければいけない」状況になるか「買い増すことができる」状況になるか。

「買い増すことができる」状況にするには、まず生活基盤に影響が無いことが前提ですからね。

その点で言うと、生活に困らない位の金額を投資口座とは別で多めに確保しておく事は投資戦略上かなり有効だと理解できます。

 

要は意図しないタイミングで投資資産に手を付けないための安心料。といった所でしょうか。

 

ただここでも色々と思うのは、具体的にどんな投資をやっているかでも変わるよな〜と言うこと。

例えば、個別株投資の場合と僕みたいなインデックスファンド投資の場合では明らかな違いがあるように思います。

 

いくつかの個別株投資のみでポートフォリオを組んでいた場合、大恐慌時にはその銘柄そのものが倒産して無くなることもあると思うんですよね。

そうなると資産額は0円。丸っきり返ってこない。本人の意思に関係なく損失が確定される。

 

一方、市場の平均リターンを享受するインデックス投資であれば一時的に大きくその資産額を減らしたとしても、いずれ戻る。必ず戻る。というか、むしろそれを信じているからインデックス投資をやっている訳で・・・

もちろんインデックスファンドでも繰り上げ償還になって自動的に損失が確定、なんて事態も無いわけではないですが。。。

 

100年に一度と言われる、リーマンショックではガッツリと下がったアメリカのS&P500というインデックスも約5年で暴落前の水準に回復したし、去年2014年には市場最高値更新のニュースも飛び交いました。

そういう市場の指標=インデックスにファンドを使って投資する場合と個別株のみへ投資する場合とで、同じ危機でも明らかにその大きさは変わってくるように思います。

 

そう考えると、各人がどういう投資をするかによっても安心料の確保量は変わってくるように思います。

で、どうするか

以上を踏まえて僕自身一体どれくらいの生活防衛資金を確保するのが、自分自身最も納得するカタチなのか。ここからが難しい訳ですが。。

前述した生活防衛資金3つの役割は以下のとおり

  • 生活を守るため
  • 再就職への交渉力
  • キャッシュフロー・リザーブ・アカウント

当然これらを複合的に考えていくわけですが、ちょっと整理する意味でもまずは個別に考えてみます。

「生活を守るため」の生活防衛資金

ご承知の様に僕は独身です。幸い両親も元気です。実家は持ち家です。

今のところ守るべきは「自分」のみです。

そして転職に伴いようやく春からは社会保険に加入できるため、傷病手当を利用できる立場になります。

もしいざとなれば、「シェルター」として実家に身を寄せる事は出来そうです。

居住者がひとり増えても物理的な問題はなさそうです。

 

これらを踏まえて「自分の生活を守る」という点のみで生活防衛資金を考えてみると、推奨されている生活費2年分はやはり過剰に感じます。

かと言って前回記事に書いた「半年分」は改めて考えると少ないよう思えます。

そうするとやはり生活費1年分が妥当でしょうか。

 

+α失職時には失業保険、ケガ病気による就業不能状態には傷病手当がそれぞれ受給できる事を考えると、それくらいあれば「自分の生活を守る」ことは可能だと思います。

ただ、この部分は下記の「再就職への交渉力」とも密接に関係するため一概に言えません。

「再就職への交渉力」としての生活防衛資金

うーむ。悩ましい。

現在の年齢31歳を考慮すると、まだ一般的に見て「再就職力」はあるように思う。

ただ、どれだけの専門性があるのか、同業他社にモテる能力や実績を持ちあわせているのか。と考えると、、、はっきり言って自信なし。

 

こればかりは今後の自分の頑張り次第でいかようにもなる気がしますが、、少なくとも現時点ではかなり厳しいと思っていた方が良さそうです。

そう考えると、いざ再就職活動となった時には自分が納得いく水準の就職先を見つけるにはかなり時間がかかると見た方が賢明でしょう。

1年では短すぎる様な・・でもかと言って2年もあると逆に「まだ時間はたっぷりあるさ!」と楽観的に考えすぎるような気もします。性格的に。

 

ある程度ケツに火がチロチロ付いてる方が進む原動力になる気がするんですよね。性格的に。

 

となると、、、1年半か。

「再就職への交渉力」という点のみで生活防衛資金を考えると、生活費の1年6ヶ月分+α失業保険が自分的にちょうどいい塩梅の様な気がします。

「キャッシュフロー・リザーブ・アカウント」としての生活防衛資金

投資戦略上の生活防衛資金。

つまり大暴落が起きても慌てふためくことなく淡々と普段の生活を送れるかどうか。やすらかに眠れるかどうか。

意図しないタイミングで投資資産に手を付けない為の安心料。

 

前述したように僕のメイン投資は国際分散インデックス投資。世界中の市場平均値のリターンを得ていく投資です。

短期的には大きく下落する局面があっても長期的には人類の成長と共に緩やかに上昇していくはずだ。と思っています。というか信じています。

 

この前提が自分の中にあるので、運用資産の浮き沈みはほとんど気になりません。

 

と、言ってはみたものの。。実はまだ実際に大きく運用資産が目減りするような局面に出会ったことがありません。

なのでこれハッキリ言って机上の空論です。

様々なブログを覗いて実際にリーマンショック期を体験された方々の中にも「自分が思っていたよりも狼狽した」という様な記事を多く見かけました。

 

それくらいの大きな危機に直面した時、果たして自分が心の平安を保てるのかどうか。

自分自身甚だ疑問です。

結局のところそれが起きてみないことにはわかりません。体験していない事を何とか想像しようとしても・・・上手く想像が追いつかないのです。。

でもだから「キャッシュフロー・リザーブ・アカウントとしての生活防衛資金は要らないよ」とも思いません。

 

実際に危機に直面した時に自分の心の平安がどう振れるかわからない分、用意する必要があるな。と感じます。

まとめると・・・

思うのは、、

やっぱり危機管理はしとかないとな。

ということ。

 

全世界的な金融危機が訪れて運用資産が大幅に下落、そのタイミングで会社倒産→無職に。

といった恐ろしいシナリオが現実となった時にも、余裕を持ちつつ再就職活動に取り組めること。

淡々と積立投資を続けられること。不要な売却をする必要に迫られないこと。

あわよくば資産の買い増しをして長期的なパフォーマンス向上に寄与すること。

それらの投資戦略を実現するために生活の基盤を失わないこと。

 

そのための生活防衛資金を考えると「2年分が妥当」と言われる理由もわかる気がします。

 

その点から言うと前回記事でさらっと述べた「生活費の半年分」という考えは改めて「甘い!!」という気がします。我ながら。

 

じゃあどれくらいでしょうか。

ここまで書いてきた僕自身の様々な事情や状況を考慮して自分自身が出した結論は、、

生活費の1年6ヶ月分。

です。

ひとまずこれを目指します。

 

ただ、これは現在の環境・状況による判断です。

今後例えば守るべき人が増えたり、仕事の状況が変わったり、自分の能力への評価が変わったり。

様々な要因によって機動的に変更していくと思います。

 

また、現在の総資産は前回もお伝えした通りこんな感じです↓

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リスク資産に回すお金、無リスク資産に回すお金、生活防衛資金に回すお金。

きっちりその3つに配分出来るほどの資産額がありませんので、当面は同時進行で積立てていくようなカタチになります。

その関係でやはり前回もお伝えした様にしばらくは無リスク資産と生活防衛資金を一元管理していきます。

 

ある程度資産が大きくなって明確に区別出来るようになり次第、随時袋分けしていきます。

 

でも「投資戦略の発想法」の中でも「生活防衛資金を確保できるようになるまでは投資するな!」くらいの事が書かれています確かに。

なので同時進行でやっていくのは完全に我流ですけどね、でも僕はいいと思ってます。

 

そもそもお金がある所からのスタートではなく、お金が無い所からのスタートでしたから。徐々に徐々に理想に近づけていければ良いと考えていますよ僕は。

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